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named stories前編
割引あり
[コーヒー]
一種の眼鏡であるよう
雷雨に狙われていたのか
弾かれてしまう 脳裏の五線譜
声だけが響いている
深夜と早朝の間
何処へ向かうのかも 分からないから
今日もかけている
[春]
桜が息をし、花びらを吐き
声だけが響いていたのに
地に降り注ぎ 足跡が埋まり
枯れと熟れを繰り返す帯
綺麗な姿だけに 失ったら寂しいのに
終わりが見つかれば良い匂い
手で掴めれば疲れていい
[旅行]
物語の始まりと終わりの境界線
恋が始まるように
望みが叶うのか分からない
解れていく扉の鍵穴
叫んで届いてくれと願った
拙い言葉での文章経過
終わりにしたい舞台だけ
[音楽]
ピアノの鍵盤を叩く音
騒音と言われ 閉じる楽譜
指揮を執るのは自分だけ
行かないで どこにも
並べられていた者に
選ばれる権利は
名前だけで外されてしまう
[友情]
傷つく事が分かっていたのに
それでも離れてしまうのが
恐れてしまう孤独
一人になりたくないから
独りになってしまうのに
それすら忘れ去られて
残っていた杉の香り 避けようのない運命
[星]
歴史の証人である
生命の源であり終止符
両手で掴めないのに
愛していたいはずなのに
なぜか価値を忘れてしまう時
悲しみに暮れる時間だけに
力と愛を注いでいたかった
[愛]
愛に飢えていた 何を得ればいいのか
綺麗な言葉を言えるほど
心は綺麗ではないから
いつか終わりが来るはずなのに
それすら恋焦がれてしまうの
白い粒になるころにすら
歌えればいい ただそれだけは
願わせてくれ
[夢]
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