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ザザンにまつわるアンソロジー

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桑田佳祐の楽曲のタイトルをそのまま短編小説にしました。 読み終えたあと、タイトルの楽曲を聴いてみて下さい😁
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#別れ話

短編【愛無き愛児】小説

短編【愛無き愛児】小説

暗過ぎず明る過ぎず、ちょうどよい上品な照明が灯るそのバーラウンジには、大き過ぎず小さ過ぎず会話の邪魔をしない耳触りの良いジャズが流れている。ジャスのナンバーはバート・バカラックのアルフィー。甘く切ないメロディが大人の夜を演出する。

「ごめんなさい。少し遅れちゃた」
「いや、そんなに待ってないよ。珍しいな君が遅れるなんて。いつも僕より先にいるのに」

いつもなら約束の時間の三十分前には広瀬由花はバ

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