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バブル 日本迷走の原点

 漏れ聞くところによれば、先の国会での、カジノ解禁法案のニュースが、ずいぶんと世間の話題になったのだそうだ。
 だがそんなこととはお構いなしに、現代人は皆、資本主義経済の中で生きている限り、カジノの中にいる。
 永野健二著『バブル 日本迷走の原点』は、そのことを改めて認識させてくれる良書だ。
 1971年のニクソン大統領が行った金とドルの兌換停止によって、スーザン・ストレンジが言うところのカジノ資本主義が始まり、我々は、心ならずも、日々、そのゲームの中に巻き込まれてしまい、そしてそれは、哀しいかな、各々の意志、つまり好むと好まざるとに関わりなく参加しなければいけない、無慈悲なゲームとなった。
 過去、そのギャンブルで日本人は、土地は絶対に値下がりしないという土地神話の幻想に基づき、バブル経済を作りだし、17世紀のオランダのチューリップバブルを笑うことができない現象が巻き起こった。
 東京23区の地価が、アメリカ全土の土地の時価総額を上回った。
 せいぜい一株50万円ほどの価値のNTT株が、東証上場後に318万円を付けた。
 小金井カントリークラブのゴルフ会員権が、一口3億円を越えて、外国の投資銀行のトップが、それはゴルフ場の値段ですかという質問をした。
 例をあげつらえば、きりがないだろう。
 要するに、民進党の反対理由はもっともなことで、日本人は、生まれついてのギャンブル依存症なのである。

 さて、ここではそんなことは脇に置いておいて(?)、日本でやるべきカジノのルーレットの話をしたい。
 ルーレットは、是非とも、アメリカンスタイルのダブルゼロではなく、ヨーロピアンスタイルのシングルゼロにしてもらいたいのだ。
 今回、俺が言いたかったことは、ただ一つ、それだけである。

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