#42日目 経験を押し付けないこと 10分チャレンジ

OJT担当で新入社員と接するときに、一番気をつけているのは
ジェネレーションギャップだ。
私が新卒として入社した当初は、働き方改革なんてなかったし、
早く帰ろうもんなら「やる気が無いやつ」というレッテルを貼られていた。

当時はスマートフォンも普及し始めていたが、
大学生活の殆どをPCを使って過ごしていたため、
タイピングも当たり前のように出来る。
むしろLINEで長文を送らないといけないようなときは、
PCでGmailの下書きをつかって、スマホからコピペをするくらいだ。

いわゆる常識の格差が大きくなってきている。
当たり前のようにあった固定電話がなくなり、
保留の機能も知らない新入社員が増えている。
電話が苦手だ、という人は、ネットで大体賄える世の中になってきている。

例えば、美容室の予約も、昔は電話しかなかったが、今はネットでできる。
歯医者の予約もネットでできてしまう。
電話のほうが楽だし早い、と思う人は電話をしているだろうが、
苦手な人はとことん避けることが出来るようになってしまっているのだ。

当然、世の中全体の流れも変わってきている。
自分のときはこうしたらうまく行った、ということが
今はうまくいかないということも多々ある。
市場の変化も以前と比べて早い。ついていけていないかもしれない。

育成に携わるときは、自分の経験ももちろん話す。
ただ、それを押し付けないように気をつけている。

私のときは、こういうふうにしたらうまくできた。
→だから、あなたもこうしなさい。
これだと今の世の中とのズレから、結局うまくいかない事も出てきてしまう。
→これを参考にしながら、自分でどう進めるか考えてみてね。
こうすると、若い人は変化に敏感なので、
私からのアドバイスをインプットし、自分ができることや
社会の状況を見ながら、自分でどう進めるかを考えるようになる。

クグロフさんがこうしろって言ったから…が通用しなくなるのだ。
悪い捉え方をすると、私の責任放棄かもしれない。
ただ、変化が早い分、自分で考える力も大事なのだ。きっと。

経験だけで教えることは楽だ。
でも楽だからこそ、それに甘えてはいけないと思っている。
経験を伝え、それをもとにどう動こうと思っているかを傾聴し、
いざという時にはフォローに回れるように動いておく。
失敗してしまったら、一緒に何ができたのかを考える。
私の経験どおりにしていたらうまく行っていたなら、
きっと後輩からその言葉も出てくるだろう。

ただ、そのときにも「じゃあ次からは言う通りに」とは言わない。
~~さんは、今回はこういう進め方でやったらうまくいったんじゃないかと思うんだね!
と、あくまでも彼/彼女たちの考えにしておくのだ。

自分の行動に対して、自分で責任を取らないといけないとわかると、
驚くほど頭を働かせるようになる。

今後のVUCAの時代でも成果が出せるように、
自分で考える力を育てるのも、私達先輩の役目だと思っている。

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