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鎌谷悠希作品トリビュート短歌連作

 ぼくは漫画家の鎌谷悠希先生の作品が好きで、その優しい物語や幻想的で詩的な絵の一枚一枚と出会ってから折々で思い出しては前に進む力や立ち止まって自身を省みる勇気を頂いてきました。
 今回公開した連作はぼくが短歌を始めた頃から温めていたもので、いろいろ迷いながら公開することにしました。もしかしたら非公開にすることもあるかもしれないです。鎌谷先生の4つの漫画作品へ捧げる4つのトリビュート連作です。
 鎌谷先生の作品が好きな方々はもちろん、まだ読んだことがない人にも楽しんでもらえるように力を尽くしました。いたらない所はあると思いますがよければ読んでいってくださいませ。



レモネードの部屋

宵の風にレモネードは冷め 来世でも忘れられない夜へと沈む

まどろみを囲う光の鳥がいて呼びあうことでキミを感じる

坂道の遠く遠くに立つ猫とまた会える日を示す潮風

メレンゲのように

変わらないものなんてなくて歌声と紙飛行機はまっすぐと飛ぶ

認めるって遠くなること 星の上 銀河色の眼で夜を歌うよ

尾道夢想歌

聞かれないことで救われる言葉たちまた対岸へ辿り着く船

変わること変わらないこと八朔はソフトクリームとして僕と出会った

優しさにはまだ遠いけど省みる力をくれる静かな瀬戸内

朝顔のみち

美しくまっすぐ走れるあなたには朝顔が咲く旅路が似合う

旅路の果てはいつでも少し悲しいけど忘れない 全部わたしは忘れずにいる



 読んで頂きありがとうございました!またどこかでお会いしましょう。
                        スズキ皐月

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