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「すずめの戸締り」を見てきました。

結論から言います。好きです。
「天気の子」の次に好きです。
以下ネタバレになりますので、やな人は引き返してくださいね。







新海誠作品の売りと言えば、息をのむ背景の美しさ、イケてるカメラワーク、生き生きとしたキャラクター、ちょっと不思議な設定、など楽しいところがたくさんあります。
しかしわたしが新海作品を愛する一番の理由は、利己的なとこなんだ。
「天気の子」のときブッとんだのは、世界とやらを捨てて個人的な愛情に走ったこと。
雨はずっと降ってればいいよ、世界のことなんか知るかっていう、
そうだったらいいなあ、でも建前上そういうラストにはならないよね、って思って見ていたわたしの思惑をひっくり返してくれました。
そう、好きな子と一緒にいられるのなら、世界が沈んだっていいんだよという利己的っていうか、強く自分ファーストですね。(同じか)
そこが好き。そんなの最高じゃないですか。
好きという気持ちを中心に置いて、そこからすべてが始まるとお話しは小さく小さく個人的なものになっていく。人類も地球も進化も歴史も消えて、2人だけの物語になっていく。
わたしはその必死な小ささが好き。
「すずめの戸締り」は別に恋愛ものではないけど、すずめのしつこさの根底には芽生えた恋心があったはずです。

すずめが幼い日の自分をかわいそうに思い、見守り、励ます、子供時代のトラウマを自分自身で癒すシーンはさわやかだったな…。
そこに草太がいてくれたのもとてもよかった。好きなシーンです。
草太がカッコ良くてよかった。もうファーストシーンですずめの一目ぼれってわかります。

ダイジンがすずめに嫌われて、ボロになってしまう描写も良かった。
かわいそうでかわいかった。
健気だなとも思うけど、人間とは違うメンタルや時間感覚を持ってるんじゃないかなってことで、そこまで悲しい最後だとは感じませんでした。
天気の子の陽菜も、今回の要石も、ある意味神と対峙する生贄だと思うんですね…。
神様は代償を求めるもの。
神様の描き方はクリエイターによってさまざまですが、その超越したかんじが、非人間的なところが、意思の疎通ができなくて神っぽい。
新海誠風で好き。

唯一んっ?となったのは、出会う人がかたっぱしからすずめに理解を示して、協力しすぎかなあと。
ちかちゃんもルミさんも受け入れすぎというか、賢すぎる。
なんだかんだ芹澤くんも親切。しかも抜群のタイミングで登場(あーでもこれは好き)。
すぐさま状況を飲み込んで、必要な役割をこなしていく、そんな打てば響くような人間に次々出会えるかな?
まあその居心地の悪さは、わたしがヒネているからかもしれません。
世界はそんなふうに優しいものなのかもしれないし、単にご都合主義なのかもしれない。どっちだ。

もっかい見に行きます!



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