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繋がれ、どうか繋がれ! 誰もが固唾を飲む一瞬だった。繋がれと、それだけを念じていた。しかしボールは加藤の手には届かず、床に叩きつけられたボールが跳ね返って転がっていく。 頭が真っ白になった。誰もがその瞬間動けずにいた。 試合終了のホイッスルが鳴る。割れんばかりの歓声が広がる。ボールに手が届かなかった加藤が床を叩いた。 「あ……」 なんてひどい光景だろうと思った。 光広が金剛高校に入学して以来、試合という試合は負け知らずだった。校内の紅白戦では確かに負けて悔しい思い
ホイッスルが鳴る。七番は三度目のフローターサーブ。コースはしつこく皆川を狙っている。ここにきて心理的な攻撃でミスを誘おうという作戦なのだろう。 「若森ぃっ!」 三度目のサーブレシーブは、今度こそ完璧な軌道で光広に返った。 応えてくれた! 最高のボールが来た。ならば最高のトスを上げる! 光広がセットアップに入ると、コートの中の全員が助走し攻撃のためのテイクバックの体勢に入っていた。 シンクロ攻撃。体力的に続かないため、最初から最後まで使えない。それでも皆川を中心とし