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はじめまして、皆川淇園

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勝冶真美が弘道館メールマガジンのために書き下ろした、皆川淇園を知るための、やさしいコラム。ヘッダー画像は、谷文晁による淇園のポートレイトです。 (東京国立博物館 http://w… もっと読む
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2021年8月の記事一覧

四条円山派と淇園の縁を忍ばせる掛け軸

 『皆川淇園とその仲間たち』 第7回 京都の夏の風物詩といえば祇園祭。2014年は150年ぶりに大船鉾の復興、49年ぶりの後祭の復活と大いに賑わいました。有斐斎弘道館でも茶会 「祇園会の茶」を開催、祇園祭のしつらいで楽しんでいただきました。床には、木瓜紋の旗をさした3人の人物が描かれた軸を。  これは歌川豊秀、 吉村孝敬、松村景文の合作、という珍しいものです。豊秀は大阪の浮世絵師。滑稽本、洒落本の挿絵を描きました。吉村孝敬は円山応挙の晩年の弟子で、応門十哲のひとりにも数え