一人一台のパソコンの効果

※はてなブログ8月記事より引っ越し
以前にこんなことをつぶやきました。

GIGAスクール構想により、一人一台パソコンが配られました。バンバン実践している、パソコンは格納庫に保管されたまま、使うとトラブルが起きるから使わない、PCがわからないから使えない、その使用度合いは様々です。
何が正解なのか?正解はないかもしれませんが一つの実践をまとめていきます。
結論は、『正しい指示と対応を取れば良い効果が得られる』です。
自転車や包丁、スマホなどと一緒です。物は使い方による。

2020年11月から自分の勤務校でもChrome bookが本格的に活用できるようになり、トライアンドエラーの精神で率先して活用してきました。

9ヶ月間、3学年、1学年、2学年で担当したクラスでの使ってきた事実からの解釈となります。 

1.生徒には良い効果と悪影響、どちらの側面も見られた

1.良い効果

  • ①グループワークが自分の席からでもやりとり可能に。感染対策しつつ、主体的・対話的な学びにつながっている。

  • ②板書を移さなくとも見返すことができるようになった。時短につながる。※こちらがわかりやすい図解スライドを作成することで効果は高まる。


  • ③実験結果を動画で記録できるようになった。(ロイロノート)

  • ④(現在のところ)授業に新鮮味を感じ、学ぶ意欲につながる


  • ⑤PCを使うことで活躍できる生徒がいる

  • ⑥どうやら生徒はPCを使いたいようだ。※PC使えて理科が好きという生徒は多い。理科の学びを遊び感覚にできる。


2.悪い影響

  • 生徒間のやり取り可能が故に、授業に関係のないことへ発展してしまった。

  • 情報が多いゆえに、逆に迷ってしまう。『ワークシートにまとめなさい』という指示に対し、ぼーっとパソコンを眺めていた。多機能のため別のことをしてしまっていた。

  • 机上には教科書・ノート・PC・・・。選択肢が広がったため、どこに何をするのか困ってしまっていた。 

2.学力の変化はまだ見られない。

私が受け持つPC中心で教えている1クラス、そうではない先輩先生が受け持つ6クラスの前期試験の平均点では、自分の受け持つクラスは4番目。他クラスとの平均点の差は誤差範囲内。PC中心だからといって特別点数が上がるわけでもなく下がるわけでもないようです。((今年度の1学年の結果より))

1年生はまだ2ヶ月しか経っていないため差があまり出ていない。そのクラスの生徒の学力によるのかなと思っているが、後期の試験結果から変化が現れるかもしれない。今後のリテラシー、コンピテンシー両方の面を見取っていく。

3. 一人一台PCは良いのか?

一人一台のPCは賛否があるが、良いか悪いかとは一概には言えない。使い方次第です。でも、せっかく国が導入したのに何も使わないのはそれこそ税金の無駄となる。どんな結果にするかは教員次第であり、悪くすることも無駄にすることできる。
自分の答えは、教師が使えるなら使ったほうが良い。生徒が正しく使えるようになったほうが良い。です。
理由としては

  1. 生徒にとって、これからの時代に必須のスキルであるから       メディアを消費するおもちゃだけとしてではなく、正しい学びのツールとして役立つことを身に着けさせることができます。学校はできなくて当たり前。できないのなら正しく学ばせればいいです。

  2. このスキルをベースに、私達大人が想像もできない新しいものが生まれるから                               自分が学生の頃、ワードやエクセル、パワーポイントなどは授業で扱われていました。結果今の授業の基盤となっています。そこには不便さも感じながらも、あれと組み合わせたら便利かもという想像が実現しています。同じように生徒たちがGIGAスクール構想で与えられたものをツールとして使っていくことで、そこをベースとした何かを編み出していくでしょう。ならできる範囲で、有効な手段を探りながら使用していくべきでしょう。

  3. 教師の負担が減るから                       例えばアンケート。プリントの印刷→配布→回収→集計などの工程を省くことができる。実物投影機に物を持ってきて映して・・・などをせずともデータやリンクをぽいっと遅れる。板書を書く→写すの時間を省き、話し合いや作業の時間に回せる。一度スライドを作ってしまえばある程度の再利用が可能。 

4.活用による効果を高めるためには

勤務校では生徒指導が行き届いています。使う前に自治体共有で設けているルールを確認しました。それでもやんちゃな子はやらかしお叱りを受けます。そうしたらその場でPCは何のためにあるのか。どういった使い方が正しいかを考えさせます。

まず前提条件として、そういった環境が大切であると感じています。((twitterのやり取りによると学校によっては安心して使わせられないらしい))

  • 使用前にPCが学びにとってメリットが有ることを伝える。

  • こういう使い方をすると学びにつながると授業を通じて実感させる。

  • 使用する中で生徒自身が編み出したことを挑戦させる。

こういった働きかけを粘り強く取り組むことで、数年たったあとに使っていてよかったねと実感するのではないかと思います。その逆になることも然り。

※根拠について

1-1-①~⑤生徒の見取りは、現在受け持っている学年の7クラスから、それぞれ達成度A、B、Cの子を1名ずつ抽出、計21名分の様子を参考にしています。

1-1-⑥アンケート結果は238名分からのポイントです。

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