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大合作第10弾あとがき

先日、昔から続くバンブラの大規模メドレーである「大合作!バンドブラザーズ第10弾 -Decade-」に参加してきました。
バンブラPが10周年であるというこの機に、第10弾を出してお祝いしよう!という企画です。
とても繁忙でありながら、一つ一つ想いの詰まった作品をなんとしても輝かせたい!と半年間突っ走った記録をここに書いていきます。

大合作!バンドブラザーズとは?

ニコニコ動画にて昔から続いているメドレーシリーズの通称で、その名の通り「大合作」です。
DSソフトである「大合奏!バンドブラザーズ」、つまりバンブラで各々が好きなゲームやアーティストの曲を好きなように繋いで、それを更に繋いで一本のメドレーにするという面白い企画なのですが、今回はその参加者は44人、楽曲枠が57枠ととても大規模な企画となりました。
これがどれだけすごいかというと、ニコニコで上げられているメドレーの枠数の記録が歴代で2位です。しかも、今回のサプライズ枠DXの18枠を含めるとなんと85枠。とても凄まじい企画となりました。

自分の枠について

今回、私は初参加でメドレーというものをあまり分かっておらず、事前に一度メドレーを作るなどしてある程度やりたい!というビジョンが固まってきてから参加しました。
それで参加したのも束の間、取り敢えず自分の候補を挙げてから他の方との被りがないのを確認すると、早速取り掛かりました。

そしたら、2週間くらいで曲の構成は完成してしまいました。それが今回のDチームのMOTHER2メドレー、EチームのDeemoメドレーとなります。

MOTHER2メドレー

このメドレーは、実は前からずっと脳裏で流れていたイメージを形にしたものです。
MOTHER2をやっていた時、ずっとこんな感じに繋げたいな〜というものをやってみることにしました。

MOTHER2というゲームはパロディがちらほらあり、どれもどこか奥ゆかしさを感じる粋なものが多いです。1960年代を思わせるアーティスティックなその時代というものに焦点をおいて、ネスが街を冒険していく雰囲気を、なんとか再現したかったのです。

それで思いついたのはカセットテープをカチカチ鳴らしながら若者が街を歩いていた時代です。ウォークマンは少し先の時代で時代錯誤はあるかもしれないですが、これをメドレーに取り入れたら面白そう、という発想で作ってみました。ビートルズはレコードのテイクを何回も取り直して、それを親しい身柄の編曲者に何回も無理を言って一つの一曲にしていたそうです。

中央の画像はレコードジャケットを摸しており、最初の一曲以外全部原曲のジャケットをモチーフにしております。これはMOTHER2でも普通に流れている曲なのですが、MOTHER2がパロディの要素を大いに含んだゲームなので、原曲があるんです。これは糸井重里氏による趣味を大いに含んだのがきっかけで、その傾向をちゃんと引き継いでメドレーにしてみたいと思いました。

・1曲目は「Queen/Bicycle Race」(オリジナル)
・2曲目は「TEQUILA/The Champs」
・3曲目は「Chuck Berry/Johnny・B・Goode」
・4曲目は「ブルース・ブラザーズ」サウンドトラックより

おかげでテンポというものを縦横無尽に破った奇妙なメドレーになりましたが、納得がいくものを作れたと思います。

Deemoメドレー

こちらは自分の中でとても思い出深い作品で、DecadeのDもついているしいいかな……、と今回非常にこだわった曲です。

Deemoというゲームは、重厚な世界観とピアノを趣きにしたゲームです。なので、その世界観を1から10までちゃんと再現しないとな……と思いました。
ゲームを始めて一番最初に聴く「Dream」から、少しずつストーリーが進んでいく物語的な曲にしてみようと思いました。
ピアノの主軸とした曲調が多いので、アンサンブルが良さそうだと思い、特に意識したのは協奏曲という雰囲気です。
ただあくまでゲーム音楽なので、しきたりを遵守しつつ、良いアプローチに繋げられる展開がしたい(音楽ゲームなので激しい曲も多いというのもあり)と思い、途中からポップドラムが入ったのはその為です。

・最初はバイオリンの独奏から入って、そこにガクダンセットのスネアがボレロを刻むことで曲が展開していくように

・途中でアップテンポな曲調に変わる際、それでもクラシックな姿勢は忘れないように

・上パート裏4曲はバイオリン・ヴィオラ・チェロ・コントラバスの弦楽四重奏を意識

・ピアノの独奏が入ることでピアノというテーマの裏付けもする

・最後はピアノとバイオリンのデュオ。原作のⅡで実装されているAltaleのデュオミックスから着想

・Dreamから始まって、Dream of Dreamsで締めるように。また曲のタイトルから、夕暮れの帰路に着くイメージを連想

動画構成も含め、他にもこだわりはたくさんあります。例えば、中央画像の背景の木は少しずつ成長していたり……。ぜひ見つけてみてください。

繋ぎ班として

今回非常に関わらせて頂いたところに、メドレーの繋ぎがあります。これは仮音源が集まってきた頃に少しずつ曲の順番(以下打順)を決めていこうというスケジュールだったのですが、一つ懸念がありました。曲数が多いんです。
内心これは間に合うのかな……?というのが本心にあって、自分がやってみたいという意思もあったので積極的に携わってみようと思いました。

この時の前から他の方のメドレーは一通り聴いており、それもあって作業には特に問題なく取り掛かれました。
ですがちょっと楽しくなり過ぎて、ぽんぽん曲の繋ぎを挙げていたら凄まじいパターンが膨れ上がりました。自分は全く意識していなかったのですが、おおよそ150通りくらいの曲の繋ぎ候補ができてしまい、運営サイドがびっくりしていました。
あとで考えてみると、あの期間は1週間くらいずっと繋ぎを考えていましたので、流石にやりすぎました……。
結果的に、テーマサイドの曲は一任されてしまうということになり、スケジュールも問題なく進みました。安堵。

曲の打順はとてもチーム毎に意識しています。
Aチームはアングラ感満載に。
Bチームは当時の世代や小学生に刺さりそうな順番に。
Cチームは東方で始まって、アイマスで終わるというニコニコ文化的に。
Dチームは渋谷系から始まって、J-POP主体のお洒落な順番に。
Eチームは良い意味でメドレーらしくない華やかな曲を持ってきました。

打順は本当に考えました。これだけの曲数があって、何一つ埋もれちゃダメだよな……と。
なのでテーマから推察して、関連性のあるものを特に重要視して、後はもう感覚で綺麗に繋げてしまおうと色々模索していました。
動画のコメントで「繋ぎがいい」って見た時、密かに嬉しさを噛み締めていました。

もちろん色々心配もありました。初参加なのにこんなに憚らない行動していいのかなと……。
ですが、公開されて絶賛された時は本当にほっとしました。やったれと背中を押して頂いた運営チームも含め、改めて感謝を述べたいと思います。

感想

本当に楽しかったです。昔見ていた方だった大合作に参加できたこと、しかも第十弾という記念すべき日に携われたこと、DXチームのサプライズも含めて。
今こうして自分も誰かを"刺す"側に回れるようになったんだなあという感慨深さもあり、しかもその"刺してきた"人達と一緒にできたことというのもあり。
だから、本当に楽しい企画でした。改めて参加者の皆さま、見てくださった皆さまに御礼を述べたいと思います。ありがとうございました。

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