【第二期 欲求を開発しよう!】Part 4.3 過去の欲について(高校生編)
2020.03.07
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【第二期 欲求を開発しよう!】
Part 4.2 過去の欲について(中学生編)
4-3. 高校生
晴れて高校生になった酵母マンは、早速孤立した。
はぶられたのではなく、友達の作り方がわからなかった。
どうやって人と接するかがわからないから、教室で腫れ物のようになった。
・音楽(聞く方)
友達がいない酵母マンは、一人で時間を過ごすことがとても増えた。
通学路を寄り道すると、レンタルCDショップがあったので、そこでいろいろ借りた。
例えば、中学の頃から好きだった JUDY AND MARYを出発点にした。
YUKIのソロの曲。
ギターのTAKUYAのソロの曲。
Hysteric Blue。SCANDAL。などなど。
他にも、この頃もう一つ僕の人生に深く根ざしているものに出会った。
L'Arc~en~Cielだ。
これもきっかけが単純で、兄がレンタルしたベストを聞いて、すぐにはまった。
ラルクの曲自体は、2005年に出た「Link」がテレビで流れていたので、
この曲いいなぁと中学の頃から思っていた。
高校に入った後に、曲とアーティストが一致した。
こちらも、ラルクを起点として、HYDEのソロ活動、Kenのソロ活動、S.O.A.P.などなど、興味の幅を広げた。
この2組に限らず、手元にあるなけなしのお金の多くをレンタルCDに費やした。
それを一人で聞いていた。
卒業して10年経つが、今でも高校のころの友人には、
「酵母マンはiPodが友達だったよな」
とネタにされるほど、一人で音楽を聞いていた。
・音楽(やる方)
田舎には習い事が少ない。
メジャーなのが、ピアノ教室とスイミングだ。
酵母マンの家庭も、ご多分に漏れずそれに従った。
だから、小学生の頃はいやいやピアノを習わされた。
高校に入って、音楽にはまると、
自分もやってみたいな...
という気持ちが芽生えた。
一回り年齢が違う兄は大学でバンドをやっていたので、
兄にお願いして、安いギターを折半して買った。
(僕は子供の頃のお年玉から出した)
ギターを買ったはいいものの、友達がいないのだ。
だから僕は、ずーっと家で弾いていた。
引くのはもちろん、JUDY AND MARYとラルクだ。
弾くのは楽しかった。曲を覚えて、上達すると達成感があった。
でも、誰かとバンドをやるという発想はなかった。
うまくなったら何かをする!という目標もなかった。
・漫画
漫画においても、重要な作品に出会った。
ジョジョだ。
僕が高校の頃は、第7部がウルトラジャンプで連載していた。
しかし、なんとなく絵柄が苦手で読んでいなかった。
ある日、実家を片付けていた時。
(家の中に、汚くて空かずの領域があった)
ジョジョの単行本が出てきた。
それはちょうど、第3部が終わって、第4部がはじまったところである30巻まであった。
ぺらぺらとめくると、その面白さに引き込まれてどんどん読み進めた。
しかし、第4部が始まって、虹村兄弟の話が終わったところで、30巻が終わってしまうのだ。
長らくこの状態でジョジョが放置されていたが、「続きを買おう!」と思い立ち、ブックオフとかを使ってちまちまと集めていった。
ちなみに、ジャンプは小学生のころから買い続けていた。
ナルトやブリーチなどの主要作品は本誌で追っていた。
書きながら思い出したが、小学生の頃は手塚治虫作品にもはまっていた。
ブラックジャック、三つ目がとおる、どろろ、など。
・部活
酵母マンは反省していた。
「集団でやる競技は、僕はやるべきではない」
そんな酵母マンは、高校に入ると弓道部に所属した。
理由は、「個人でできるのと、かっこいいから」
それだけ。
相変わらず適当だ。
弓道はけっこう面白かった。
だけど、センスも情熱もあまりなかった。
結局、活動スタイルはバスケ部と同様で、
言われたことをやる、というかんじだった。
だが、バスケ部と違ったのは、僕の入った年だけ入部者が以上に多かったのだ。
例年は男女合わせて10人程度だが、僕の同期だけ30人ほどいた。
性格も穏やかな人が多かったので、部活の人たちといるのは楽しかった。
部活でも最初は消極的孤立をしていたが、
一人だけ物好きなやつがいた。
仮にUくんとしよう。
Uは天然な性格で、みんなの輪の中心にいたのだが、
Uが僕にちょっかいを出してくるようになった。
Uとじゃれているうちに、周りの人も話すようになっていった。
Uはクラスも同じだったので、Uを介してクラスにも友達ができていった。
Uの介添えに加えて、前述のジョジョをクラスメイトに貸すことで、
「音楽とジョジョが好きな、気持ち悪いけどいいやつ」
という立場ができた。
・麻雀
このころ、麻雀を学んだ。
理由は、「カイジの賭博堕天録を理解したいから」
カイジは、基本的にはオリジナルなゲームで戦うので、特別な知識なしでも楽しめるのが特徴だ。
しかし、賭博堕天録では麻雀を基本としたゲームが展開するので、麻雀の知識が必要だった。
酵母マンはそのために麻雀を勉強した。
部室に雀牌を持ち込んで、同期と遊んだりもしていた。
・勉強
こちらは、劇的に変化があった。
前述の通り、入学したてはクラスで孤立していた。
いろいろ迷走している時期だったので、
昼休みの時間に、英単語を単語帳にひたすら書いていた。
(狂気じみている...)
でも、英語の成績は普通だった。
きっかけは、図書館の主みたいな先生との出会いだ。
主は僕のクラスの直接の担当ではなかったが、現代文と古文の先生だった。
どうゆうきっかけかは忘れてしまったが、
僕は主にマンツーマンで古文を教わるようになった。
徒然草の本文をノートの上半分に書き、下側に現代語訳を書く。
そこに、知らない単語とか、表現とか、古文の豆知識をメモして提出する。
日中に図書館の主がそれを添削して、放課後に返してくれる。
それをしているうちに、古文というものが好きになっていった。
高3になると、受験の影がちらついてきた。
僕は進路のことは全く考えていなかった。
成績だけはよかったので、誰にも気遣いされなかった。
夏休みに先生と面談して、なんとなく「東大」と答えた。
最初は誰も真面目に受け止めていなかったが、
なんやかんやで学校でいろいろやって、合格した。
(ここの話はなんとなく省きます)
大事なのは、なぜ東大を受けたのか?だ。
東大に入ってやりたいことがあったわけではないのだ。
進路を考えることができないから、偏差値の上から考えることしかできないのだ。
いや、偏差値すらも考えていなかったな。
たしかに、東大に入るということは、学業の難易度でいえばレベルが高い。
しかし、「人生の進路選択」で考えると、これ以上簡単なものもない。
日本人の高校生で、東大に入ることがネガティブに働くことはほぼない。
(海外志向が強い、とかなら話は別だが)
結局。
僕は、人生の中でも一大イベントである「高校卒業後の進路選択」という場面で、全く思考せずに最も楽な選択をしてしまったのだ。
ここまでの人生は、孤立とゲーム感覚と一切の進路選択なし、で進んできてしまった。
趣味とか欲として動いていたものも、身近にあったものが基本だ。
人生の全体が、主観的なものに欠けていて、魂の抜け殻なのだ。
親は何も言わないのか?
うちは塩親家庭だ(毒はないが、情緒的な関わりもない)。
文句などありようがない。
なぜなら、全部親の願う通りに動いているのだから。
思い出したら、やっぱり悲しくなってきたよ...
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Part 4.4 過去の欲について(大学生編・前編)
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