なぜか、秘密を打ち明けられることが多い人。
私は友だちがとても少ない。原因は、根暗で引っ込み思案だから……というのも事実だが、それより他人に興味がなさそうに見えるという理由の方が大きいと思っている。
私は、他人に興味がないわけではない。
むしろ、本当はありまくりである。
ただ、上辺の会話を続けるのは苦手だ。
親睦を深められていない女子同士で話すときに話題になりやすい事柄は、見た目やファッションのこと、会話に参加していない第三者の噂話が多いと感じている。
「その洋服可愛いね〜!」
「同じ部署だった○○くん、会社辞めて転職したらしいよ〜」
「あの部署の○○さんて人がめちゃくちゃ可愛くて〜」
ここら辺の会話は、ぜんぶ苦手。ノリ悪い・感じ悪いと思われてしまうかもしれないけど、だから何?である。
だから何?というか、私は、せっかく目の前にいるその子の話を本人の口から聞きたいのだ。その場にいない人の話は、そのタイミングでは正直どうでもいい。あなたの話や考えを聞きたいのだが?という気持ちである。
「そうなんだ〜(ニコッ★)」と最大限のMPを使い切って、その場から退散したり、それが叶わなければ黙りこくったりするのがオチ。
私が喋りかけてくれた相手の立場なら「なんだこいつ?絡みづらいな……」と思うに違いない。それはわかってはいる。
そんな感じで良く言えば「クール」、悪く言えば「関わりづらい」と思われることが多い私は、どんな組織に所属しても友だちを上手く作れない。
そんな私には、サプライズで極秘情報が舞い込んでくることがある。人事情報や「実はレズかもしれない……」「不倫していたことがあって……」というカミングアウトなどさまざまだ。
「え、それ私に言っちゃっていいんですかぁ???」という情報ばかりで言われた瞬間は焦るが、友だちが少ない私で情報は確実に止まる。秘密を打ち明ける人は、私がそういう人間だとわかっているか、私を信頼してくれているのかもしれない。
「レズかも」宣言をしてくれた先輩に、なぜ私にそれを告白したのか聞いた。すると「こっとんって、否定も肯定もせずただ聞いてくれるから。自分一人では抱えきれなかったからただ聞いてもらいたかったんだよね」と教えてくれた。
そういえば私は、その人がなぜそう思うのか思考を探りたい欲求はあるが、その考え方が良いとか悪いとか、普通だと〜だとか、そういう話しはしないと気づいた。個人を一般化することはできないから、その人の経験や価値観に基づいた思いや考えを個別に聞きたいのだ。
同時に、秘密を打ち明ける人は、「え〜〜〜!!びっくり!!」といったリアクションや「大変ですね……」といった下手な同情は求めていないと気づいた。否定も肯定もせず、ただ受け止めることを求めているのかもしれない。
世渡り上手で友だちを作るのが上手な同期が周りには何人かいて、「あいつに聞けば何かしらの情報を持っている」情報屋になっているのを見ることがあったが、案外私にも秘密が集まってきているじゃないか!
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