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過去になってゆく絵の行方

7月、暑い夏
いつか、ずっと夢に見ていた絵の個展をする。

展示する作品はもちろん過去のものばかり。
2020年の4月から毎日SNSに1日1絵をアップしていたから、物量はかなりある。

そこから選別して
本当に見てほしいものたちを集めて展示する。
名前もつけてあげるし、額装という名のおめかしもしてあげる。

自分の絵をこんなに丁寧に扱うことなんてあまりなかったのでドギマギしてしまう。

正直なところ、自分で当たり前のように描く絵を客観的には見れない。
これはお金と交換する価値があるのかとか、展示する価値があるのかとか考えるのはなんともむつかしい。

だからこそ、こういう境遇に立つと
過去の絵を愛しく思えたりもする。

離れ離れになるのが、ちょっと寂しくなる。

もし売れちゃったらもう2度と会えないのかしら、
と。

……

いや、きっとそうじゃない。

ほんとうに行くべき場所へ、わたしの絵は飛び立つはず。

誰かのそばに寄り添える分身になってくれるはず。

そうなればいいなと心から思う。

どれもかしこも心を込めた絵であることには違いないのだから
届く人の心にあたたかく入り込んでくれるだろう。

そうでありますように。

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