5月、6月、7月の読書

6.幼年期の終り

アーサー・C・クラーク著

読書苦手が読んでみたら2ヶ月もかかってしまった。
その要因は海外著書の翻訳であること、SF小説ならではの想像力をふんだんに働かせなくてはいけない緻密な描写・表現だったように思う。
1つめの翻訳という部分では、海外著書は別にこれが初めてではないものの(この前読んだのはラヴクラフトの狂気の山脈にて)、そこには共通の読みにくさみたいなものを感じた。その一例が、英文を翻訳する際に生じる独特な付け足し――このようにダッシュを使った補足――を多用している気がする。これ以外にも翻訳ならではの読みにくさを感じていたがうまく言葉にはできない。
もう一つSF小説そのものが読書苦手にはハードル高いのではと思った所。当然未知のものへの描写や今までにない概念といったものまで引っ張ってきて話が進むわけで、よく文章を読んで単語ひとつひとつを理解し場面と照らし合わせてどういう説明なのかをゆっくり自分の中で整理する必要があった。
今まで読んだ本で読みやすいと思った本はただ文を流しながら読んでいるだけでも自然と頭の中で情景が浮かぶことがあったが、本作ではそんな適当に読んでいるとふと一体なにについて話が書かれているのかわけが分からなくなり数ページ前まで戻り読み直す必要があった。
とはいっても自分は極度の読書苦手人間なので一般的にはそんなことはないはず。

内容はSF名作の名の通り壮大なテーマを描き、読みにくいとは書いたものの作中の謎が紐解かれていく最終章に入ってからは読みにくさも解消し待ち受ける結末まで一気に読み進めることができた。
高度すぎる未知の文明「オーバーロード」と人類との邂逅をテーマに、3章の時間軸の中で人類が変化していく様子を丁寧に描く。
いわゆる侵略とはまた違うので最後まで読み終えて初めてこういう結末があるのか、と驚かされた。
流石に名作なだけはある定番のSF小説。

一ヶ月一冊のペースで本(小説)を読むことを目標にしていたのでこの遅れは痛い。次に読む本は、もっと短い本かこの本を読んでいる途中で浮気して読んでいた本かどっちかになるかも

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