家庭外ケアー児童数の国際比較

家庭外ケアーとは、親から子どもを離して対応する福祉制度で、一般的には入所施設や里親を指す。病院や刑事施設は含まれていない。国家間の児童福祉を比較するのは基準が異なるため慎重にする必要があるが、マクロ的には外国の事情が分かることもある。

この図表に見られるように東南アジアの国と欧米との違いが明瞭に出ている。この違いは東南アジアが家族や親族が子どもを手元に置く傾向が強く、私たちの生活感覚からも大枠で納得できそうである。欧米の家庭外ケアーの率の高さの背景はどこにあるのだろうか。

東南アジアの家族主義に対して批判がある。保護すべき子どもを放置して家族に責任を負わせていると。果たしてそうだろうか、子どもの成長にとって家族とりわけ親兄弟の占める位置を再評価できるのではないだろうか。

日本が欧米並に子どもを家から引き離していけば、予算が10倍位掛かることは覚悟しなければならない。アメリカはこの調査の10年前は倍の保護数であり、10年かけて半分に減らす道を選んでいる。欧米が膨大な経費が組まれていることを見なければならない。

欧米で異色なのがイタリアである。イタリアは精神病院の入院方針を在宅治療に切り替えていることで知られており、家庭外ケアーの少なさと関係しているかどうかヒントになるかも知れない。 日本が家族から切り離していく欧米流に向かうのか、今日の実践が将来を占うことになるだろう。


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青葉紘宇


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