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吉田博《精華》を深読みする
吉田博の異色作と言われる《精華》に関する記事を集めました。『グラヒック』の写真は、それほど希少なものではありませんが、なぜか展覧会図録では取り上げられてこなかった重要資料です。「琴月と冷光の時代」本記事へのリンクは2023年夏に公開予定です、今しばらくお待ちください。まことに恐縮ですが、この記事は、今後の資料探索の経費補填のため、有料記事とさせてください。
(1)吉田博の《精華》を読み解く
吉田博のアトリエの写真に目が釘づけになってしまった。明治43年8月の雑誌『グラヒック』に掲載された一枚である。
![](https://assets.st-note.com/img/1687870752882-nQ6frmpGUc.jpg?width=800)
『グラヒック』2巻16号(1910年8月)
小さなキャンバスに向かう横顔の吉田博は当時34歳。目を引くのは壁にかけられた裸体とライオンの油彩《精華》だ。縦157.6センチ、横270センチもある。風景版画で知られる吉田博にとっては異色の作品とされている。この明治43年夏の時点で、アトリエに掲げられていることは何を意味するのか。画家の心理を深読みする価値ある一枚の写真である。
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