三十路の上海留学21日目

9月29日(日)上海留学21日目

 日曜日。
 されど私は6時40分に起床していた。
 なぜか?ええ、今日も午前午後とも授業です。

 授業がおもしろいことと、早起きが大変なことは別問題である。

 この日も、教室について一番最初にしたのは教室の電気をつけることである。
 私より先に決まった三人の生徒が登校しているのだが、彼らはなぜか頑なに電気をつけない。
 気にならないのかもしれない。
 私は寝るときも煌々と電気をつけ、寮のデスクに電気がないのが気になりすぎて電気を買うくらい部屋が明るくないと気が済まないタチなので、この電気付け係は毎日教室を明るく照らしていた。

 最近列を挟んで隣の席のトルキッシュがやけに私のことを気に入ってくれている。
 彼女は授業二日目(たしか)に後ろの席に座っていて、強引に話しかけた子である。
 
 彼女はいつも明るく「○○!」と私の名前を呼んでくれる可愛い子で、菅田将暉の「まちがいさがし」を見せて「これ発音して!」だとか、「✕✕って日本語でなんていう?」と聞いては私の発音に「真的可爱!(まじで可愛い!)」とキャッキャしてくれる女の子である。
 彼女は休み時間のたびに私の名前をトルキッシュ訛りの可愛い発音で呼んでくれるので、そろそろガチ恋しそうなところであった。

 この日は、寮って虫多くない?みたいなところから「ゴキブリって日本でなんていう?」とわくわくしながら聞いてくるので「ゴキブリ」というと「めちゃくちゃ可愛い!ゴキブリ!ゴキブリ!」とゴキブリを連呼していた。
 どんな話題だ・・・笑

 彼女は日本に興味があるようで、日本の曲や映画を見せては、「私これみたよ!」「これ良い曲だね!」と教えてくれるが、私はまだ彼女の中国名ではない名前を呼べずにいたし、私は残念ながらトルコの文化に知見がなかった。
 
 この日私は意を決してトルコの曲を教えてもらって、少しずつトルコ文化の吸収を始める。
 もともと旅行嫌い・海外興味無しの私からすると信じられない行動だが、彼女を理解したいという気持ちでトルコ文化を吸収している。
 私はこの日から、中国に中国語留学に来ているのに、トルコ語の簡単な挨拶も勉強し始めている。
 留学って、その国の人と友達になるって、本当すごいことだと思った。

 さてそして。
 私は昨日の豫园の経験から、昼休みにいつも一緒にご飯を食べている日本人の友達に「クラスの日本人のグループチャットを作るのどう思う?」と聞いてみた。
 「良いと思う!」と賛成してくれたので、私は午後に日本人たちの机をまわって許可をとった。

 全員快諾してくれたのでグループを作り、「せっかく同じクラスになれたので是非仲良くなりましょう!」とメッセージを送った。
 いつも一緒にご飯を食べている友達は、それにならって「✕✕といいます。よろしくお願いします!」とメッセージを打ってくれたが、ほかの三人はステッカーの反応だけだった。

 もう本気で凹んだ。
 ええ・・・やっぱみんなそんなに仲良くなりたくない感じ?めっちゃ余計なことしたわ・・・。
  
 グループチャット自体が今後一切動かないだろうことは想定していたが、まさかここまで反応がないとは思わなかった。直接「グループチャット作ります」なんていわれたら断れないだろうし、同調圧力に相手を殺してしまったかもしれない。

 そんなこんなでわがクラスの日本人は仲良くなれる見込みがないが、明日も学校に行けば国慶節なので気を取り直して頑張ることにした。

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