三十路の上海留学22日目
9月30日(月)上海留学22日目
今日も午前午後とも授業である。
昨日からトルキッシュが私より早く教室に登校するようになっていたので、私は朝一番彼女に「✕✕(彼女のトルコでの本当の名前)、おはよう」と挨拶をした。
彼女は信じられないくらい嬉しそうな笑顔で彼女は私の名前を呼んだ。
もう恋しちゃっていいですか。
この日、午前の1コマ目はテストだった。
昨日突如告げられ、これまでに習った第1課・第2課の単語および文法と、これまで読んだことの無い文章の阅读、これまで学んだ授業をテーマにして自分の意見を最低100文字以上書く写作。復習を疎かにしている私にひどい仕打ちだった(やらないこちらが悪い)。
テスト前、普段一緒に昼食を摂っている日本人の子から、「この文法何が間違ってる?!」とテキストの練習問題(文章の誤りを直すやつ)と質問されて、「これは副詞だから、主語の前においてあるのが違うのかも・・・」とその単語の品詞を調べた。
まさかのまさか、文法問題の一問目はまったく同じ問題だった。感謝すぎる。
単語・文法・空欄に単語を埋めるもの、阅读に関してはたぶん満点なんじゃないかと自信があるが、写作はぶっちゃけまったく自信が無い。
これは国慶節明けに答案返却があるので結果が楽しみである。
2コマ目は、西遊記を見る時間だった。
西遊記を見て、それぞれのキャラクターの性格を答えましょうという内容だった。
そんなん見なくても分かる、とあらかじめ考えていたのは
・孫悟空⇒暴れん坊
・三蔵法師⇒理知的で慈悲深い仏のような感じ
・沙悟浄⇒印象無し
あとはギャグマンガ日和の印象が強くて
・猪八戒⇒非常食
という感じだったのだが、実際に見せられた中国のアニメでは
・孫悟空⇒聡明で理知的、機転も聞くし強い
・唐僧(三蔵法師)⇒孫悟空には、相手を見ると魔物か魔物じゃないか判別できる能力があるのだが、孫悟空の言うことを信じず何度も魔物に騙される間抜け
・沙悟浄⇒印象無し
・猪八戒⇒ご飯大好き
という感じだった。
内容は中国語音声+字幕だったので、日本人の私からすると内容の理解は難しくなかったが、クラスの半数はスマホをいじってつまらなさそうにしていた。
2コマ目が終わる頃、2本目の西遊記が見終わっておらず、先生は「流しておくから観たい人は昼休みに見て」と帰っていった。
まさかのまさか、トルキッシュに「どこでご飯食べるの?」とめちゃくちゃ可愛くお誘いいただいたが、私は西遊記を見たかったので「ごめん、今日は西遊記見る」と断ってしまった。
「OK!次回は行こうね!」と彼女は言ってくれた。
絶対私のこと好きじゃん・・・私も好き・・・。
昼休み、普段一緒にご飯を食べているインドネシア人たち+日本人も付き合って最後まで見てくれたので、そのまま一緒にご飯に行く事になった。
先日から私は昼休みが結構苦痛だったのだが、もっと鬱陶しいくらいこちらから話しかけてもいいんじゃないかと思って積極的に話しかけた。
彼女たちも彼女たちでこれまでに思うところがあったのか、彼女たちは日本のアニメが大好きなのだが、「○○は日本語でなんていう?」「これはなに?」といっぱい質問してくれた。
こちらはインドネシアの文化に全然明るくないのが本当に申し訳なかったが、こちらに合わせて、でも楽しそうに会話してくれたのはすごく嬉しかった。
午後1コマ目の授業に関しては、「完美」という単語が出てきた際に、「完美(完璧で欠点がない)は人それぞれの感覚なので、完美な人なんていないと思う人もいれば、肖战を完美だと思う人もいるし、王一博を完美だと思う人もいる」と先生にいじられたくらいでトピックはなし。
1コマ目の授業が終わったところでトルキッシュから「外に行かない?」と誘われる。
ちょうどごみを捨てたかった(ゴミ箱は廊下にしかない)ので「いいよ!」と快諾する。
彼女は廊下に出た瞬間、教室目の前のトイレに入っていって鏡を見ながら髪を直し始めたので、「ああ、トイレに行きたかったのね」と私はそのままゴミ箱へさっさと向かってしまったのだが、髪を直し終えた彼女に後ろから「ゴミ箱はどこにあるの?」と声をかけられ、一緒にごみを捨てた。
そのまま教室に戻るのかと思いきや、彼女の言う「外」が建物の外のことだったので、彼女に外を指で差されてようやく意図を理解する。
ゴミ箱はトイレから外へ向かう途中にあるので、トイレで髪を直していた彼女からしたら「あれ、あいつどっか行った!」と思ったことだろう。
トルキッシュは、トルコにはこんなにたくさんゴミ箱が無いの。と教えてくれる。
私は上海に来てから「ゴミ箱すくねえな」と思っていたので、日本はゴミ箱だらけだよ、と教える。
あとはお互いの国の老人の1日の過ごし方(これは授業でそういう話があったため)とか、他愛ないことを話して教室に戻った。
可愛かった。
午後2コマ目の授業は、グループワークだった。グループを作って各国の文化の相違点を話すもので、我々のグループは主に
・遅刻に対する考え(日本の列車の遅延に対する厳しさにトルコ・エクアドル・インドネシアが驚いていた)
・誕生日会について
・食事のときに自分の箸を大皿に突っ込んでいいか
・食事のマナー
などを話した。
うちのクラスは真ん中後方2列を8人のインドネシア人が固まって占領しているが、彼女たちは解体された。
そこで私たちの班にやってきたのは飛という女の子(同年代)である。
グループワークは死ぬほど盛り上がって、あっという間に授業が終わった。
授業終わり、いつも挨拶するトルキッシュに「国庆节愉快!(国慶節たのしんで!)」というと、「私いつもお散歩してるの。暇だったら連絡して!一緒にお散歩したいから!」と死ぬほど可愛いお誘いを受ける。
「昼・夜どっちにお散歩してるの?」と聞くと、「夜!」といわれたので「OK!」と答えて再见した。
やっぱり私のこと好きなのでは・・・?????
寮に戻り、少しして晩御飯を食べに行って、淘宝で受け取った荷物を持ってまた寮に戻ると、クラスメイトの许というこれまたインドネシア人(話したことがない)がロビーで座っていた。
彼女は授業の演劇のときにめちゃくちゃボケ倒すおもしろい子で、こちらが手を振り、向こうも手を振り返してくれたあと、勇気を出して「何してるの?」と聞いた。
彼女は「✕✕を待っている」と行った。聞き取れなかったが、人を待っているのだろうと解釈する。
一度も話したことがない相手だから、これ以上はあんまり話したくないかなと去ろうとしたら、「ご飯たべた?」と聞かれる。
「うん、河东食堂で食べたよ」と答える。
ここでもう一度去ろうとしたが、「手に持ってるのなに?」と言われ、私はソファに座る彼女に目線を合わせるために、ソファのヘリに凭れるようにしゃがむ。
除光液を中国語でなんというのか分からず、また、なまじ分かったとて彼女に伝わらないだろうとおもい、スマホで現物を見せると「ああ」と彼女は納得したあと、「あ、ごめん。ソファ座って」とまさかの隣に座らされた。
そこから年齢の話だとか(まさかの同い年で、お互いに相手を4個下くらいだとおもっていた)、许の演劇がおもしろすぎることを伝えたりだとか、お互いになぜ中国語を勉強しているのかだとか、そういう話をした。
私の下の名前は「○✕子」と感じで三文字なのだが、そのため初回の授業で午後の口语先生から「✕子」とだけ呼ばれたことがあって(先生は私の姓名が「○ ✕子」だとおもったらしい)、「○✕子は姓名?」と質問される。
「△△ ○✕子だよ」と日本読みと中国語読みでいうと「長い長い、むずい」といわれ、彼女から日本語読みの名前で呼ばれることになった。
「テストどうだった?」と聞かれる。私は謙遜を知らないので「前半はめちゃくちゃ簡単。写作だけ自信無い」と答えた。
「あなたは?」と聞くと「簡単すぎた。漢字間違いさえしてなければ余裕」といわれる。かっけえ。はっきりしてる子大好き。
「漢字は難しいよね」というと、「日本語の漢字と中国語の漢字も違うでしょ?難しいんじゃない?」と聞かれる。「ほぼ同じだよ。たしかに違うところを覚えるのは大変」と答えたら、「お互い苦労する場面が違うね」といわれた。
まったくその通り。
そのまま続けて、「✕✕(同じクラスの日本人男性)も文字を書くのはうまいけど、听力と発音が微妙」と手厳しい評価をもらった。
「だと思う。日本人の読みと書きは、他のクラスメイトより上だけど、日本人の聞く・話すは他のクラスメイトより低い。視覚で文字情報を理解してしまうから、きちんと勉強しないと音が記憶に残らない。今日のアニメも、字幕が分かるから内容は理解できたけど、視覚に頼りすぎて音に集中できなかったから聞き取りはできない」と言った。
彼女はとても真剣にこの話を聞いていた。
その後、しばらくまた雑談をして、「時間だ」と彼女が言った。
待ち人は来ず、立ち上がる彼女に着いていく(私の部屋の方面だった)と、彼女は私の部屋を通りすぎて洗濯部屋に吸い込まれていった。
「洗濯が終わるのを待っている」、と彼女は言ったんだ、とこのときやっと分かった。
その後、部屋でだらだら過ごしていたら、グループワークを一緒にした飛から微信の友達申請が来た。
今日グループワークしたからそれでかな?と思って承認して、「今日はありがとう」と送ると、「○○(私の名前のアルファベット表記)?」と送られてきた。
「是的!(そうだよ)」と答えると、「国慶節どこに行くの?」と言われる。
察しの悪い女ではないので、たぶんこれお誘いあるぞ・・・!と「○日に✕✕、□日に△△に行くよ」と答えると、「日本食レストランに連れていくよ」と返事が来た。
飛は许と仲が良いので、さっき许と話したことが飛にも伝わって、今日一緒にグループワークをしたから誘ってくれたのかも知れなかった。
「じゃあ4日か5日はどう?」と返して、4日にご飯に行くことになる。
「友達も連れてきてね」と返ってきたが、私の日本人の友達はあまり中国語を話せるわけではないので、悩んだ結果、トルキッシュに連絡した。
彼女は喜んで当日来てくれるとのことだった。
そしてその連絡と平行して、私は昼食を一緒に摂っているインドネシア人の友人(以下安とする)からも連絡をもらっていた。
彼女からはたった1本の動画と、「预订方法」の四文字。
その動画は彼女のスマホの画面録画で、見てみると「魔道祖師」の期間限定ショップの入場予約方法の動画だった。
ふと思い出す。
今日の昼、安は「2日に魔道祖師(モーダオズーシー)の期間限定ポップアップストアに行くの!!」とテンション高めに言っていて、もう一人の日本人に「なんて?」といわれたので「なんかモーターカーのイベントがあるらしいよ」と適当に答えたところ、「ああ、摩托车(モートゥオチャー)ね!」と言った友達に安が「ちがう!魔道祖師!!!!」と怒っていた(Chu!適当な性格でGO・ME・N♡)。
魔道祖師は陈情令の原作小説・原作アニメだが、ゴリゴリのBLで安はBL好きである。
私は陈情令の内容も好きではあるが、こっちは微妙に内容が違う(国内放送のためにBL色が半減している)上に、私はそのまま俳優沼に滑り込んでいったので、正直なところ魔道祖師は観たことがなかった。
なので昼は「良かったね!たのしんでね!」と返したのだが、安は私のことも誘うつもりだったようだ。
誘われた遊びは断らないを信条にしているので「行くわ」と返したら「2日」「14時」と単語で返された。はい分かりました。
その通りに予約をする。
今さら「魔道祖師観てません」とは口が割けても言えないので、こっそり履修した。
さらに、もともと「モーターカーのイベント」と聞き間違えていたので、「魔道祖師のイベント…?もしかして魔道祖師の同人誌即売会・・・?!?!」と勝手にそわそわした。
どうしよう楽しめるだろうか・・・(実際はただのポップアップショップだが、この時点では完全に同人誌即売会だと思っていて、なにかしら買わないと許されないだろうか・・・とやきもきしていた)。
トルキッシュとインドネシア人とインドネシア人とインドネシア人とインドネシア人とサークルでもインドネシア人と交流を図った9月。
明日から10月である。
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