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スヌーズレンがもたらす効果

私がスヌーズレンを知ったのは、大学で社会福祉に関することを学んでいた時でした。非指示的でいて、共感を共にできる方法にとても感銘を受けたのを覚えています。

スヌーズレン(Snoezelen)とは、オランダ語の2つの単語、スヌーフレン(snuffelen)「鼻でクンクン臭いを嗅ぐ」とドースレン(doezelen)「ウトウトと居眠りをする」の合成語です。 『自分で確かめる・探素する」という意昧と、『ゆったりする・リラックスできる」という意昧を持ち合わせます。1970年代オランダにて、ヤン・フルセッヘ氏(障がい児の教育者)とアド・フェアフール氏(セラピスト・芸術家)らによりこの活動が始まりました。 当時、施設でほとんど寝かされているだけだった重度知的障がい者の「受け身的で剌激ない世界」を変えようと考え出され、感覚刺激機材使った空間デザインはオリジナリティがあり、知的障がい者にとって心地のよい空間を作り出すことができました。 今では障がいのあるなしに関わらず、利用者の興味や意欲を剌激し、あるいはリラックスできる空間として世界中で広がっています。

スヌーズレンを普及する会(ADISN)

私が最初に社会人になって就いた仕事は、教員免許を生かして、重度の自閉症児を支援する仕事でした。それまで自閉症の方に接したことのなかった私にとって、言語媒体も持たず、加えて視覚、聴覚(補聴器装用)、知的に重複障害を持つ自閉症児と初めて接し、大きな衝撃を受けました。
どのように彼の考えを汲み取り、コミュニケーションをとったら良いのか、
試行錯誤の日々は続きました。しかし一緒に過ごす中で、彼の発する小さなサインに気付けるようになりました。例えば尿意や便意の時にはどのような行動を見せるのか、ということを同じ空間の中で掴めるようになったのです。しかし、双方のコミュニケーションの成立はなかなか難しさがあることに気付きました。
その時閃いたのが、大学時代に学んだスヌーズレンでした。私はそれを彼にも応用してみようと思ったのです。
ここから先は、その当時私が重度自閉症児に用いたスヌーズレンの方法をお伝えしようと思います。

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