手順のこと
子供の頃からお絵かきは大好きだったが、一方で「色塗り」は大の苦手だった。色を選ぶ作業がまず大変なストレスだったし、絵の具などの画材もなんだか使いこなせない。鉛筆でごりごりと絵を描くのが得意だったこともあり、いまだにアナログでの着色は苦手意識が強いが、iPadを手に入れてからは劇的に意識が変わった。何しろ、失敗しても消せるのだ!
画塾に通ったり美術の学校に通ったりはしたものの、絵の描き方は今でもあまりセオリーがよくわかっていない。自分で整理する目的も兼ねて、イラスト制作の手順を書いてみる。
①下書き
※本当はこの前にラフスケッチの過程があるが、こちらは本当に人様に見せられる感じではないため省略。
下書きの段階では構図の整理ができるよう、要素をできるだけレイヤー分けしながら書いていく。が、描き進めていくとよくレイヤーを間違えるので最終的にはごっちゃになり、結局レイヤー合体後に投げ縄で部分選択をしては位置を調整することが多い。
②主線入れ
1番好きな工程がこの主線入れ(清書)。メインのキャラクターは強弱のある線ですっすっと形を描き出していく。自分の中にある、曲線や強弱の黄金バランスを探る作業がとても楽しく、外に放出してるのに非常に内省的な作業だなといつも思う。
③背景色を塗る
そもそも「背景」というものを描くのが大の大の苦手のため、こんな感じで色をべたっと配置してお茶を濁したり、背景には何も描かないこともかなり多い。
④配色を考える
これも以前は非常に苦手な作業だったので、インスタを始めた頃はほとんど単色の絵ばかりだった。iPadで絵を描くようになってからは、とりあえずレイヤーだけしっかり分けておいて、あーでもないこーでもないを繰り返しながら配色を決めていくようになった(あらかじめアタリをつけておくとかは相変わらず出来ない)。配色の参考書なども見つついろいろ検討するが、最終的にはえいやーになってしまうこともしばしば。
余談だが、自分の配色センスの無さにずっとコンプレックスを抱いていたが、絵本作家のサタケシュンスケさんも色塗りが苦手でデザイナーさんにお任せしているというインタビューを読んでものすごく救われた。
⑤ディテールを詰めていく
あとは「完成じゃー!」と自分が納得できるまで、質感や影、ハイライトなどを詰め込んでいく。ちなみに、あまりしつこく描き込まなくてもシャドウとハイライトがメリハリよく入っていればそれなりに見えると画塾生時代に教わった。
正直、詰めの作業はどこまで何をすべきなのか今でも正解が分からない。ちょっとしたことで劇的に絵が良くなった経験もあるので「ここでやめていいのか・・・まだ何か残されているんじゃないのか・・・」という葛藤をしばらく続けたら完成である。
テクニックは広く浅く
実を言うと、絵の描き方や技法はあまりこだわっていない。ひとつの技法を深く追求する職人気質が私にはもともと無いのだ(飽きっぽいし)。
そのかわり、いろんな作家さんのテクニック動画や教本を読んではいろいろ試してみるようにはしている。自分にしっくりくる技法なら今後も取り入れ、そうでなければ忘れる、ということをなるべく意識的に行うことで、「技法やタッチは幅広いけど、どんな技法を使っても「ことえが描いた」と気づいてもらえる絵を描けるようになりたい」というのが今の目標である。
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