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呼び声(12月12日~12月18日)

12月12日(月)
・3列シートでトイレ付きのバスを選んだのに途中休憩の度に車内全灯+アナウンスをされたので全然寝付けなかった。6時半、沁みるような寒さの横浜に放り出される。睡眠不足のままでは不安なのでネットカフェで二時間眠る。節約するために高速バスを選んだのに失敗した。

鹿鳴館

・横浜から大口へ。目当ての鹿鳴館は10時開店だと事前に調べていたはずなのにGoogleマップには10時半だと書かれていた。10時半の開店時間を過ぎても営業する気配がない。不定休だから今回はご縁がなかったのかな。諦めようとしたら店の人が買い物袋を抱えて登場。「待たせちゃってごめんね」と店内へと招いてくれた。鹿鳴館の創業者であるマスターは2年前に亡くなり、娘さんが跡を継いだ。遼さんを通じて生まれたご縁の話をして1時間弱で次の目的地へ。

プリンコンサート

・はじめて足を踏み入れる埼玉県は秩父市。関東の地図に詳しくないが6月に行った高崎とそう遠くない。秩父神社前通りにあるコイズミで、石井正則さんがいつかラジオで話していたプリンコンサートを味わう。遼さんはチョコレートパフェを食べたらしい。レトロな食堂として有名なパリー食堂は秩父にあったのか。後ろ髪を引かれながら秩父を去る。

リリー

・石神井公園のリリーは最終日に行くつもりだったが、西武沿線なのでついでに足を向ける。江守徹を彷彿させる渋い声のダンディなマスターが迎えてくれ、山之内さんの話を切り出すとエピソードを教えてくれた。「難波里奈さんや菊地亜紀子さんの本でも紹介されているけど、山之内さんの本が最初だったよ」。遼さんのお母さんに代わって掲載店を巡っていると話したら「あなたも本を出せばいいじゃない」と言われた。遼さんの話を聞く度に「遼さんのような魅力も筆力も私にはない」と思っていたけど、遼さんも最初からスムーズにできたわけじゃないんだろうと思い直す。


旅館西郊


・19時半、荻窪の旅館西郊にチェックイン。上品な女将さんとご主人に迎えられる。疲れ切っていたので館内の見学は最終日に後回し。西友で買ったねぎ塩チキン弁当を部屋で食べお風呂に浸かり就寝。

12月13日(火)

ハイジ


・冷たい雨が降る朝。各駅停車に乗り千葉へ。目当ての喫茶店が休みだったので、近くにあるGoogleマップの口コミが良い喫茶店「ハイジ」に駆け込む。10代の頃、親と喧嘩して千葉市の祖母の家や八千代の親戚の家に家出をした思い出があるのだが、喫茶店に入るのははじめて。家出先が親戚の家なんて可愛いよね。マスターご夫妻の写真を記念に撮らせてもらう。撮っている私が笑顔だから、被写体も笑顔を向けてくれる。本当は今日茨城に行く予定だったけど、移動ばかりになるから諦めて千葉に来たら本命の喫茶店が休みだった。予定変更が続いたおかげで優しいご夫妻に出会えた。



・千葉から御徒町の「丘」へ。東京を代表する有名喫茶店だが、タイミングが合わずいつも来れなかった。修学旅行なのか高校生くらいの男女混合6人組がお客さんとして来店。いきなり店内の写真を取り始めたので「許可撮った方がええで」と心配になったけど、風俗店の呼び込みのような風貌の店員さんが優しく接していて狭量な自分を恥じた。


世田谷邪宗門


・下北沢の「世田谷邪宗門」へ。店主の体調次第で臨時休業があることを覚悟していたけど開いていた。下田でゲストハウスをやっている息子さんがオフシーズンに手伝いをしているらしい。「47都道府県の純喫茶」のあとがきは世田谷邪宗門で書かれている。森茉莉が座っていた窓際の席で、茉莉ティーと呼ばれている森茉莉がいつも注文した紅茶を森茉莉専用のカップでいただく。「夢をみることが私の人生」と書かれたサイン色紙を眺める。遼さんはどの席であとがきを書いたのだろうか。

深海ゼリー

・十条の「喫茶深海」で深海ゼリーを食べながら、店員さんと東西喫茶店事情を話し合う。

12月14日(水)

旅館西郊に泊まることが長年の憧れでした


・10時のチェックアウト前に旅館内を見学。泊まれて幸せでした。荻窪から雑司が谷霊園へ。3年ぶりに祖父母の墓参りを済ませて、こちらも3年ぶりの西荻窪・村田商會へ。モカ継承のあれやこれやを話す。続けて邪宗門ファンの店主がはじめた喫茶店「物豆奇」でココアを。外国人観光客が大声で会話していたのが雰囲気にそぐわなくて残念だった。


再びリリーへ


・お腹を減らすために徒歩で1時間かけて石神井公園のリリーに行くと、驚いた顔のマスターに迎えられた。今朝Rさん(山之内遼さんのお母様)にリリーに行った報告をしたのだけど、私が来る5分前にRさんから電話が掛かって来て明日に行くと言われたそう。「胸が苦しくなりそうだから遼の行った喫茶店には行けない」と言っていたRさん。リリーに行くきっかけを与えられて嬉しい。遼さんが好んで注文していたという「トーストハムエッグサンドイッチ」を食べながら、遼さんの話をする。
・18時、再び荻窪へ。荻窪邪宗門でシャンソンを聴きながら旅の振り返り。11時、新宿発のバスで帰阪。

荻窪邪宗門

12月15日(木)
・早朝大阪に到着。帰宅して正午まで寝る。Rさんから「早速リリーに行って、遼のエピソードを聞いたよ」というLINEで目が覚める。
カウンターに座ってマスターと話していたら、遼さんが側で見ているような気配がした。Rさんもそう感じたと言っていたから、きっとそこにいたのだろう。

12月16日(金)
・些事に追われる。

12月17日(土)
・石神井公園駅・リリーをブログにup。昨年の今頃Rさんにクリスマスカードを書いて送ったことを思い出した。

12月18日(日)
・年内最後の書肆七味の店番日。どこかで見たことのある人が来た……と思ったらライターの関根デッカオさんだった。同じ媒体に書いたことがあり、記事も読ませてもらっていたので知っていた。デッカオ先生の散歩の成果に期待します。


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