アニメ「宇宙戦艦ヤマト2202」&映画「ミッドナイト・スカイ」感想

 「はてブ」コメントへの回答を書いてるとき、netflixに続編が配信されていたことを思い出して、ヤマト2202をBGVに流したのね。なに、コレ? 「戦争はいけません。武器は悪いものです。どちらも人を殺しますからね。では、この前提で平和について議論しましょう」から始まる学級会っていうか、戦後の左翼的平和学習の悪い影響を最大限に受けた語り手って感じで、波動砲を使うか使わないかの話をグチグチグチグチ延々とやり続ける。それも、指揮官たる人間の思考や葛藤とは思えないーー「ボクちん、使わないってオネエタマと約束したんでちゅ!」ーー低劣な次元で。前作2199は高級割烹を思わせる、ギリギリまで薄くした演出と乾いた筆致が全編に貫かれていて、ラストは少しウェットでしたけど、個人的にはすごく評価が高かったんです。なんで、その正統な続編が傷んだ果実をベシャベシャのシロップで食わせるみたいになってんの? まあ、SNSの話題にも上がってこない理由だけはよくわかりました。オリジナルはたぶん何度目かの日曜朝の再放送を見ていたぐらいで、エースコックのワンタンメンのCMと記憶が同じレベルで紐づいてるくらいの薄い視聴しかしてないんですけど、コアなファンたちはこの仕上がりに納得してるの? 「呪い」どころか、感想さえ見かけないよ?

 そんで口直しをしたくなって、「そうだ、海外SFなら学芸会ではない、大人の世界への処し方を味わえるはずだ」とシンエヴァで被った精神的外傷から考え、予告編で気になっていたミッドナイト・スカイ(おじさんが少女を庇護する話なので)を視聴する。2時間あるんですけど、冒頭20分と最後の10分をつないで短編として見ても何の支障もない、むしろその方が小品として価値が高まるまである、全編の4分の3が余計なシーンの大駄作でした。コロナ禍における「配信映画」が、興収を気にしなくていいせいでこの程度の品質にとどまるとしたら、サブスク方式の映像提供サービスにはすべて滅んでほしいです。わたくし、這ってでも劇場へ行きますから!

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