雑文「プレステ5雑感と革新的ゲームについて(近況報告2023.1.3)」

 昨年末の私的な大事件として、この2年間というもの、あらゆる抽選から外れてまくってきたプレステ5が今さら当選し、なぜかクリスマス当日に配送されるというミラクルの発生をまっさきに挙げたい。手に入った途端、それまで抑圧されてきた欲望が聖夜のINKEI(UNKEI・KAIKEIの弟子)の如くムクムクとエレクチオンしてきて、「まあ、専売ゲームもあるっちゃあるけど、基本はsteamのPC版で充分だよなー」といった態度が、「ブドウすっぱい」に過ぎなかったことを思い知らされたのである。もはや中身はパソコンと同じと分かっていながらも、やはりファミコン世代にとってのコンシューマー機は、いつまでも心の中で特別な場所を占め続けていることを、あらためて自覚させられたのだった。さっそく「ゴースト・オブ・ツシマ」と「ゴッド・オブ・ウォー:ラグナロク」をプレイして、この13年間でアバター2が技術的な最先端から追いやられてしまった場所の、相対的な位置を知ることができた。

 さて、プレステ5には「アストロズ・プレイルーム」という「同機でできること」を集約したショウケースのようなゲームがプリインストールされている。真のクリエイティブを地で行く宝石箱のような内容であり、これはこれですばらしいのだが、個人的にはPSVR専用の前作を思い出さずにはいられなかった。「次世代機」と呼ばれるコンシューマー機が次々と発売された90年代以降で、前世代の模倣ではない真性の革命となったゲームを3つ挙げるとするなら、1993年の「バーチャファイター」、1996年の「スーパーマリオ64」、そして2018年の「アストロボット:レスキューミッション」である。「ポリゴンによるキャラクターの3Ⅾ化」「カメラ導入による3Ⅾ世界の自由移動」「3Ⅾ世界におけるカメラ操作からの解放」が、それぞれを挙げた理由である。どうもPSVR2には後方互換が無いようで、他2作ほどには多くに知られないまま、この記念碑的な作品が埋もれてしまうことを口惜しく思っている。アストロボットのためだけにPSVRを購入してもまったく損は無いと断言しておこう。この作品はゲーム文化の成熟に伴って出現した大きな革命、まさに文化大革命なのだから!

 ……あれ、オレまたなんかやっちゃいました?

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