映画「スパイダーマン・ファー・フロム・ホーム」感想

 ここ数日、スパイダーマン・ノー・ウェイ・ホームの大絶賛がタイムラインに続々と流れてくるので、もうマーベルのヒーロー物は見るまいと思っていたんだけど、ネトフリで前作のファー・フロム・ホームーーこちらもずいぶんと評判がいいーーを視聴する。あのさあ、キミたち、サム・ライミにはあれだけ辛辣で、アメイジングも2作で中絶させたくせに、アベンジャーズに組み込まれた途端、評価基準がダダ甘になってない? コロナ以前を強く感じさせるヨーロッパ観光地巡りみたいな中身で、「よーし、エンドゲームも公開されたし、スタッフの慰安旅行をかねて、軽くもう1本撮影すっか!」みたいなノリでカメラ回してません? やっぱり、私にとってのピーターは幼少期を孤児院で過ごした(サイダー・ハウス・ルールと混同)トビー・マグワイアだし、私にとってのMJは顔面アファーマティブ・アクション女優のキルスティン・ダンスト(一目で処女ではないとわかるド迫力)なのです。

 シネマティック・ユニバースとやらに組み込まれちゃうと、映画単体で主人公の運命が決まらないからどこか緊張感に欠けるし、現代社会に対する批評性が消滅してコミック世界の内側へと閉じてしまうような感覚があります。

 あと、金髪碧眼少女とアジア人のおたくデブが恋仲になるみたいな挿話だけど、ちょっとあからさまにポリコラれすぎてて、逆にバカにされてる気になりません?

 映画「スパイダーマン・ノー・ウェイ・ホーム」感想

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