『無限の月』発売開始しました!

いよいよ、二作目の『無限の月』が発売日を迎えました。
「人間とは何か?」という問いから始まった小説なので、実は『ゴリラ裁判の日』と兄弟のような作品です。
そんな『無限の月』を前作と同じ、鈴木成一デザイン室、田淵正敏さんが装丁、イラストを手掛けてくださったことは本当に嬉しいです。

二冊目をこれだけ早く出せるということが、小説家としてどれだけ恵まれていることかと、心の底から思います。編集の人に目をかけてもらって、校正の方に文章を直してもらって、デザインしてもらって、印刷してもらって、PRしてもらって、売ってもらって。そして、読んでもらう。
小説は一人で作れるものですが、本は作れない。
いろんなプロの方に助けてもらっているなぁと常々思います。

電子書籍か、紙か、なんて話題を今更するのはアレですが。
『無限の月』に関してはやっぱり紙で買って欲しい……。
なぜなら、装丁が本当に素晴らしいからです。
自分も電子書籍を買うことがある。電子書籍はかさばらなくていい。
でも、やはり電子書籍では抜け落ちてしまう情報がいくつもあるということに、今更ながら思い至りました。

僕は文章を書いているだけで、それがどのように紙に印字されるかを意識することはありません。恐らく、ほとんどの作家はそうでしょう。ですが、今回の最初の文章の配置を見て驚きました。まさか、自分の書いた文章が、こんな風に表現されるなんて!と。
僕が書いた文章、その意図を汲み取り、的確に配置をしてくれるということが、どれだけの効果を生み出すか。
今回、自分が書いた文章を読んで、衝撃を受けました。
それに、自分の本棚を見直しても、こんなに攻めたデザインの背表紙は見当たりませんでした。背表紙だけでなく表紙のタイトルと著者名のデザインも凄い。

『ゴリラ裁判の日』はメフィスト賞を受賞した作品なので、新人、という感覚が抜けていなかったような気がします。
講談社で『無限の月』のサイン本を作っている際に、これからは防衛戦なのだ、という思いが込み上げてきました。
メフィスト賞受賞者というハードル、『ゴリラ裁判の日』読者が抱く期待に応え続けないといけないのだ、と。柄にもなく真面目なことを考えていました。

いろんな人に支えられている、いろんな人に買ってもらえている、読んでもらえている。贅沢なことだと思います。本当に自分は恵まれている。

これからもいろいろと書いていきたいと思います。
宜しくお願いします。



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