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飲み会で酔って帰ってきた妻・前編
「ん・・・っ」
暗がりに響く、くぐもった女の声。
熱く火照った体に、疼く下半身、くすぐったさと気持ち良さが交互に押し寄せ、引いていくさまはまるで波のようだと思った。
快楽というにはあまりにも弱い刺激がぞわぞわと背筋を這いずり、ある一点を焦らすかのように掠める。
反射で、びくりと体が跳ねた。
「はっ・・・はっ・・・」
「あ・・・起きたぁ?」
ぎし、とスプリングマットレスが軋む。
薄く目を開ければ、暗がりにぼんやりと浮かび上がる黒い影。
それは自分の股間で、もぞもぞと忙しなく頭を動かしている。
「起きるに決まってるだろ・・・っ疲れてるんだから、寝かせろよ・・・!!」
「えー・・・やぁだー」
布団に入り熟睡していた自分を起こしたのは、アルコールの香りを身に纏い顔を真っ赤にし呂律の回らない幼子のような話し方をする自分の妻だった。
「(う・・・酒くさい・・・)」
どれくらい飲んできたのかは分からないが、乱れた呼吸からはかなりのアルコールを感じられる。
妻は酒に弱くはないが、特に強い訳でもない。
会社の飲み会でもあまり深酒はしないし、ましてやこんなにべろべろになって帰ってくることは年に一回あるかないかくらいで・・・
ふと、心当たりがあることに気がついた。
「(あー・・・ストレスか・・・しばらくご無沙汰だったしなぁ)」
最近お互い残業続きですれ違いの生活が続いていたせいか、夫婦の営みもろくに出来ていないため己の性欲は爆発寸前だったりする。
どうやら妻も同じ気持ちだったようで、アルコールが入って気持ちが大きくなってこうして自分を襲い・・・そう、夜這いをかけたということになる。
しかし生憎明日も平日、おそらく残業になる。
それを見越して今日は妻が帰ってくる前に就寝していたというのに、こうして強制的に起こされてしまったというわけだ。
「んんん・・・」
もごもごと口を動かす妻が加えているのは、寝巻きと下着を引き摺り下ろされて剥き出しになった自分の肉棒。
妻の口から溢れる涎が竿を伝って玉へと流れ、布団が濡れるのを防ぐように真っ赤な舌を這わせ自らの唾液を絡めとり、再び先端を口に含む。ゆっくりとした動作。それの繰り返し。しかし欲求不満だった肉棒にはそんな単純な動作だけでも火をつけるには十分だった。体は疲れているにも関わらず、むくむくと固く大きくなる己の分身。先程まで現状を冷静に分析していたというのに、性欲とはなんと恐ろしいことか。硬くなった肉棒を満足そうに見た妻は、次に自分の涎をべっとりと白く細い指に絡め、にんまりと笑った。
「寝てていいからぁ・・・下半身だけ貸してぇ?」
カーテンの隙間から差し込む月の光が、自分に跨り、足を広げ自ら秘部を晒し―――ギラギラと欲に塗れ、妖艶に舌舐りをする妻の顔を照らした。
後編へ続く。
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