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小山さんノート。

こんばんは。
今さらっちゃ今さらですが、『小山さんノート』読み終わりました。

何それ、という方もいらっしゃると思うので説明すると、
「『小山さん』と呼ばれたホームレスの女性が遺したノート。『時間の許される限り、私は私自身でありたい』2013年に亡くなるまで、公園で暮らしながら、膨大な文章を書きつづっていた小山さん。町を歩いて出会う物たち、喫茶でノートを広げ書く時間、そして、頭の中の思考や空想。満足していたわけではなくても、小山さんは生きるためにここにいたーー。80冊を超えるノートからの抜粋とともに、手書きのノートを8年かけて『文字起こし』したワークショップメンバーによるそれぞれのエッセイも収録。」(カバー見返しより)
という本です。
あまりに濃密で、そして時に(というかかなりの部分)つらくて、一気読みができなくてすこし時間をかけました。

読後。
まいった。えぐられた。そんな感想。
食べ物や、100円のお金に困ることもありながら、それだけのノート(ほとんどはA6の小さなノートだったようです)をつづった小山さんの情熱にうたれ、一方で我が身を振り返り、つまらないことで浪費しつつ、書ける紙やツールに不自由はないのに、ほとんど何も書かない日もあるわたしって、なに? という、あまりにもくだらない疑問に襲われました。
今働いていないわたしも、どこかがずれていたら似たような境遇に追い込まれていたかもしれない。それでも、これだけの文字を書き記し、守り、遺したか。そうは思えない自分に愕然としました。
今、自宅にそれなりの量の本があって、処分を検討しているものも中にはあります。が、『小山さんノート』は、よほどのことがないかぎり、手もとに残しておきたい、そう思う本です。胸の奥にあった、「書きたい」という気持ちに灯りをともしてくれた一冊です。
ホームレス問題、そしてDV問題に興味を持って読んだ方には、わたしの「読み」は実に物足りないかと思います。そちらに関心がないわけではありません(前述の通り、明日は我が身、です)。それよりも、自分を表現することに対する純粋さ、まっすぐな思いに引き寄せられずにはいられなかったのです。
決して安い本ではないし、文章にクセもあるので、誰にでもすすめようとは思いませんが、興味を持たれた方は手にとってみてくださるとうれしいです。リンクは貼らないので、ググってみるか、少し大きめの本屋さんや、図書館へ、どうぞ。

生きているうちにこれが売れて、あこがれのフランスへ行く小山さんを見てみたかった。そんなことも考えました。
フランス……、あこがれないわけではないですが、それだけ飛行機に耐えられるかなとか、お金よりそちらを考えたわたしです。
たまにはカフェで何か書こうかな、とは思いました。根が単純なので。

屋根と壁のある暮らし、素敵だなあ。家族に感謝しつつ、これからの日々を過ごして行きます。
あと、やっぱりお酒とタバコはたしなまない方がよさそうです、これからも。お酒は、役に立つときもあるんですけどね。薬によくないし、そこぐらいしか節約できません、たぶん。

それでは、おやすみなさい。


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