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コース料理は休日に【フードエッセイ】

水曜日の昼下がり。
汗をかいたサラリーマンたちが、
つかの間の休息へと向かう。
混沌としたオフィス街の中で、
私と先輩は路頭に迷っていた。


お目当ての洋食のお店は満席で断念。
次に向かった和食屋さんは完売で閉まる。
ランチ難民の道へと刻々と進んでいた。
やばい。あと45分しかない…
と思いながら、彷徨い続けていると


突如現れた大きな洋館。
その隅っこにはポツンと
”COLOSSEO”と書かれた看板
どうやら地下にイタリア料理があるらしい。
ランチ難民の私たちはすぐさまに
地下への階段に足をふみいれた。


地下に到着すると現れたのは、
ミラノイタリアングラッツェが、
最高に似合うダンディーオーナー
輝きをまとったグラスとカトラリーにシックな緑と
コントラストな白クロスがまぶしいテーブル
ちょっと旅をしてくるねって、
イタリアへと足をふみ入れたような世界観
少しの薄暗さもまた空間をつくりこんでいて幻想でシャンデリアが見えたくらい!!(現実?)

案内された大きな4人掛けのテーブルに座り
ワイングラスに注がれたお水を飲む。
注文したお料理を待つ間に、パーソナルジムに通い始めたとか、Q10で爆買いしたとか、わやわや話す。
そうこうするうちにお料理が到着した。

リストランテ イタリアーノ コロッセオ【南船場】

なんと味の奥ゆかさなこと。
ぎゅっと一皿に添えられた食材全てに 噛み締めるごと口いっぱいに広がるイタリアの空気が舞い降りる!アンティパストからメインの仔羊のラグーのタリアテッレ 食後のコーヒーとデザートまでしっかり堪能です〜。

美味しいですね〜って先輩と味と雰囲気に浸りながら
あれ?なんか忘れてる?と我に返った時には、
休憩終わり5分前で、
私は食後のコーヒーを優雅に飲んでいたのであった。

食は時に人の危機管理能力を鈍らせるほど魅力的に見える。そこはきちんと良い関係性を保っていきたいと、私は食と業務提携を結んだ日。コース料理は休日にね。

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