ゴジラ-1.0を観ました。皆様ぜひ劇場で。

日本の公開から1ヶ月以上経ってからの投稿ですが。
まず全米で邦画実写映画の興行収益No.1記録を既に塗り替えたらしく、製作者の皆様おめでとうございます。(元ソースがなくて又聞きなんですがお許しを)
元々12/7までの上映期間だったのがなんだか無期限の延長が決まったそうで、上映館数も2500館以上に増えるんだとか。海外でいろいろな記録を打ち立てそうな勢いのようですね!

私、ゴジラが昔から好きでして、(とはいえ昭和作品の初代ゴジラや平成vs版とシン・ゴジラしか見ていないにわかなのですが)今回も予告編のときから大変ワクワクしていたわけです。

で、特に私が気に入ったことなんですが、音がすごい。

観終わったときに、耳が幸せだったんです。(ちなみにDolby Sound版とIMAX版で観ました)
いや普通に爆音ですから、音が優しくはないむしろ少しキーンとしてましたが、映像がすごかったからこそ、それに説得力を出すための音へのこだわりがものすごいと感じまして。
なんと言いますが、ゴジラの足音ってこれまで"ズーン"とか"ドーン"と遠くで歩いて響いているイメージの重低音多めの音だったんですけど、今回は目の前で聞こえる近距離での足音なせいか、音のイメージが全然違ったんです。"ドゴッ"とか"メキョッ"のような、踏み潰したものや地面を変形させている感じのする、重低音だけではない高音部分がしっかり音として存在していました。だから"すぐ近くに迫る巨大生物の足音"として違和感が全然なかったんです。
他にもゴジラの咆哮も敢えてマイク性能の許容を振り切った、音割れした状態のままの音だと思うのですが、それが逆にその場にいることを感じさせられる要素だったと思いました。
そして、印象的だったのはゴジラの放射熱線の着弾時。一瞬だけ音が消えるあの瞬間。日本人が絶望に落とされるあの瞬間に音が全くしないのはすごくスクリーンに引き込まれ、同時に恐怖しました。

音楽がでしゃばらずに、役割を果たしてくれる最高の塩梅。

耳が幸せだった理由としてもう一つ、音楽でした。
先ほどの"音"もそうですが、逆に音楽は完全にBGM"バックグラウンド"ミュージックであり、過剰な演出はせずに最適な仕事をしたと思います。現に、初代から有名なテーマを除いて、今回新規で挿入される音楽を口ずさめる方はほとんどいないのではないでしょうか。
音楽が主役になったのは、ゴジラが銀座に来た時と最後の作戦が始まった盛り上がりのときのテーマ曲のみ。(テーマ曲自体のアレンジも個人的に歴代で一番好きです)
あまり引き合いに出すと怒られそうですが、トランスフォーマーのように音楽がひたすらなくガシャガシャうるさい音がするだけだと耳がストレスで音楽が欲しいと感じるし、逆に前作シン・ゴジラでは音楽がでしゃばる印象だったといいますか、エヴァでも使われた音楽などの存在感が強すぎて場面とリンクしないとさえ感じた分、一瞬そっちに気を取られ内容が頭に入らず、余計な音楽という印象だったんです。(シン・ゴジラについては特撮に詳しい方ならもしかすると使われていた音楽それぞれに馴染みがあってワクワクされたのかもしれないので、そこを楽しめないのは勿体無いと思われるかもしれませんね。前作の作品自体はとても好きなので何回も繰り返し観てます。)

でも今回のマイナスワンは音楽がいい仕事だと感じます。必要なパートで必要な曲調で、大袈裟に盛り上げたりもせず邪魔しないもののしっかりと映像とマッチしているので感情を揺さぶってくる。
必要以上に"はい今ここ感動シーンですよ〜とか、悲しいシーンですよ〜"というような主張を音楽はしない。
スクリーンの映像で十分どんな場面か理解できる。
それだけ映像が重要で、また説得力あるものだったからあえて音楽を抑えた。過不足のない見事なバランスだと感じました。

"ゴジラ映画"云々という見方ではなくとも。

ゴジラですから映像にはこだわるものだとばかり思っていましたが、この作品は全方面でよく練られた作品だったんだと思います。
大量に血が出たりグロいシーンがなかった、それでも怖いと感じさせられた本作品のゴジラ。ゴジラでなくとも、それってなかなか凄いことじゃないかと思います。

ひょっとしてスピルバーグ監督…?

現れる前に予兆がある。来るのがわかる。
怖いけど姿をみたい、でもやっぱり来ないで。ひぃぃ追いかけてきた〜早くにげて〜あぁだめだぁ。でもグロい映像は最低限。
あれ、これってジョーズとかジュラシックパークで経験してきたあの感じ。
"恐竜"なんて子供騙しでしょ?と思っていたら大人でもしっかり怖いあの感じ。
"ゴジラ"なんて子供騙しでしょ?いやいや、しっかり怖かったですよ。
そんな子供騙しならぬ"大人騙し"具合がちょうどいい塩梅でソックリな気がしました。私は好きです、こういった全年齢で楽しめる映画。

劇場で観て良かったです。本当に。

日本のVFX作品で、初めて違和感なく観られる映画でした。(普段邦画を観に行かないので他にもある素晴らしい作品を見逃しているかもしれませんが)
そして前述した音の良さ。
それらはスマホやテレビでは味わえないと思います。ぜひ劇場で"体験"されることをおすすめします。

それから、いいデザインでした。

予告で観た時から今回のゴジラのデザインが結構好みで"平成vs版"の面影が強く、特に海のシーンはパンフレットなどの静止画でみると犬やアザラシのようで可愛いとさえ思う顔つき。なんか愛嬌があるんですよね、日本産のデザイン。(平成vs版とは違うけど、シンゴジの鎌田くんとか品川くんとかもやはり愛嬌があって可愛い。)
でも、いざ劇場ではジュラシックパークを初めて観たときのような、見る前まで楽しみだったのに観たら怖かった現象。"人間をきちんと認識した上で襲ってくる巨大生物"として描かれており、きちんと襲われている感覚になりました。怖いと感じたのはやはりあの近さであの大きさの生物と"目が遭うから"でしょうね。小さかろうが絶対逃さないという意志を呉爾羅(ゴジラ)の目から感じる。愛嬌ある顔つきのはずなんだけど怖い。これも今回のゴジラの愛され要素でもあるんじゃないでしょうか。


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