「まずは言わないでおく」という「沈黙癖」
「なるべく人の意見を尊重し、なるべく自分を殺して自分の意見をひっこめて」みたいな。
「とにかく何でもかんでも『迎合』しましょう、 それが人として正しい」みたいな。
――そんな「しつけ」を、ずーっと、子供のころからされてきた気もまたする。
わがままや、自分を何が何でも押し通して他人をまったく受け入れないみたいなのは、 確かによろしくないし、またみっともないとも思うけど。
でも、「とりあえず一度意見をぶつけてみる」みたいなことすらも、「しないほうが良い」ってこの空気、なんなんだろうなー。
いろんな人がそれぞれに考えをもっているんだから、はじめは意見は分かれているのがむしろ自然だと思うんだけど。
――その「分かれている」ことそのものからを、悪いことのようにとらえて忌避してしまう、というか。
で、それで「完全に割り切れている」ならいいのだが。
「いいえ、私は意見はありませんので、どうぞどうぞ」と譲るときに、 心の奥底の「私が折れればいいんですよね、はいはい、わかりましたわかりました」みたいな、そういう声が、微か~に、う~っすらと、でもいつでも当たり前のように、どこか聞こえてくるような。
一言でいえば、何だかこういうことの全てが、「さわやかじゃない」のだよなあ。
――曇ってやけに湿度が高い日みたいに、不快指数高いんだよなあ。
(……ここまですべて自戒です。笑)
追記:
「小さくでも、もめることが、とにかく面倒くさい」というのは、とても解かる。
というか、自分の「沈黙癖」は、ズバリそれだと思い当る。(笑)
――だからこそ、もっと軽い気持ちで、バンバン、皆が皆、思ったことを口に出してしまうようになったらいいなあ。
「意見があっても、とりあえずは出さない、少なくとも様子見から」
っていうこの風潮の根底には、
「私も言いたいことは言わないでいるんだから、お前も言うな」
っていうのが、ある気がするんだよなあ。
やっぱり、さわやかじゃないと思う。