万葉集翻案詩:『星空の旋律』

静けくも 岸には波は 寄せけるか これの屋通し 聞きつつ居れば
(「万葉集」巻⑦・1237)


『星空の旋律』

今日の旅を終え
喧騒を遮り宿に入る

一人になって
ほっとする心に
一瞬にして広がる静けさ

ほんの少し熱を帯びた身体を
布団に横たえた

意識を外に向ければ 
辺りは
あまりにも饒舌な静寂…

響いているのは
私にしか聴こえない
星空の旋律

重なるように岸に寄せる波音を
壁越しに聴いていた

明日に続く
時の階(きざはし)の真ん中で…


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