巻7巻頭歌:『天空の海を見上げて』

天の海に 
雲の波立ち 
月の舟 
星の林に 
漕ぎ隠る見ゆ

「万葉集」巻⑦・1068


『天空の海を見上げて』

天空の海に
逆巻きながら
雲の波が立っている

そして、そこを伝い
大いなる宇宙に住む
誰かが漕ぐ月の舟が
星の林に分け入って
隠れてゆくのを
今、この地上から
見上げている


《巻7概要》
「雑歌」「比喩歌」「挽歌」で構成。
575777の形式の「旋頭歌(せどうか)」も収められる。
すべてが作者未詳歌。


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