万葉集翻案詩番外:『梅の花が咲く頃に』
難波津に
咲くやこの花
冬ごもり
今は春べと
咲くやこ
(王仁)
『梅の花が咲く頃に』
たくさんの船が行き交う
難波の海の その辺り
見あげた先に咲いているのは
真白き梅の花
長い冬を越え
暖かい風が吹いたら
今こそ春が来たと
梅の花が咲いた
光を湛えて煌めく海を
風を受けて船が行く
誰の夢を積んでいるのか
ゆっくり、ゆったり
進んでゆく
梅の花が咲く頃に
私の心にも
夢と希望の花が咲いた
いつか、いつか
この場所で
恋の花も咲かせてみたい
【メモ】
万葉集の歌ではありませんが、次に登場する万葉集の歌と共に
「古今和歌集」には“歌の父母”として登場します。
作者の王仁は仁徳天皇の先生と言われています。
この歌は当時の人たちには広く知れ渡っている歌だと思われます。
競技かるたの最初に読み上げられる歌としても知られていますね。
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