見出し画像

捨てる私と拾う私

突然、警察から連絡がきた。

正確に言うと、娘が習い事をしている教室に、お子さんの件でと警察から電話があった。「警察から連絡が来まして…」と先生に言われた私は当然、驚愕した。娘がとんでもない何かをやらかしたのか?

心臓をバクバクさせながら話を聞いてみると、受講証の入ったバッグが警察に届いているとのこと。なんと道端で拾った誰かが、わざわざ警察署まで出向いて届けてくれたのだ。そして警察側が中身を確認し、受講証に書かれた連絡先(教室)にわざわざ連絡をくれた、というわけだ。

話を聞き、別の驚きが加わった。なぜなら娘も私もバッグをなくしていたことに気づいていなかったから。しかも記憶をたどると、落としたのは娘ではなく、そのバッグを預かっていた私。。。

連絡をもらったあと、娘を連れて警察署に行った。まさか親子で警察に足を踏み入れる日が来るとは。遺失物を扱う部署で本人確認をされ、書類をいくつか書き、待つこと5分。私が落とした娘のバッグは、そのままの姿で戻ってきた。一連のやり取りのなんとスムーズなことよ。届けてくれた人は、こちらからの連絡は特に要らないとのことだった。

もしバッグを落としたことに気づいていたら、「やばい!」と慌てていただろう。まったく気づかずボーっと過ごしていたら、どなたかの善意と警察のおかげで、バッグがひとりでに戻ってくるなんて。これは「日本に住んでいてよかった!!」と声を大にして言っていい案件ではなかろうか。親子でありがたさを噛みしめながら家に帰った。

それから数日後。娘と歩いていた時、前を歩いていた人のポケットからスマホが落ちた。バッグの一件の直後だったこともあり、親子ですかさず「スマホ落としましたよ」と声をかけた。だが持ち主は無反応で歩き続けている。私はスマホを拾って「落としましたよ~」と小走りで追いかけた。だが本人は気づかず。

それもそのはず、Air Podsを着けているから。スマホからの音は耳に届いているし、ノイズキャンセリング機能のせいで、後方にいる私の声は聞こえていない。持ち主の肩をトントンとたたいて、ようやく気づいてもらえた。「落としましたよ」の声かけだけでは足りない場合もあるらしい。

落としものに関して学びの多い1週間だった。

この記事が参加している募集

今週の振り返り

よろしければフォローしてください。サポートしてくれたらもっとうれしいです♪