川崎市市民ミュージアム/収蔵品レスキューに参加
ことラーが川崎市市民ミュージアムの収蔵品レスキューに参加しました。
川崎市市民ミュージアムは2019年に発生した「令和元年東日本台風」の影響で、収蔵庫が浸水したことにより、約26万点の収蔵品のうち、約23万点が被災しました。
被災した収蔵品は全国の外部支援団体や専門家により協力を得ながら、現在も修復を継続しています。
その活動にことラーも参加しました。
レスキュー活動とはいえ、美術館や博物館の収蔵品を間近で見たり、触れたりすることは通常ではなかなかできない体験です。アートを介してコミュニケーションを生み出そうとすることラーの活動において人と人の間を繋いでくれるモノを直接体感できる時間となります。
また、この活動を通して誰かによって生み出され、別の誰かが残そうと思ったモノと想いを受け継ぐ、その一端を担います。川崎市の財産である市民ミュージアムの収蔵品をこれからの時代にも残していく、それが誰かの想いに繋がっていく、過去と未来を繋ぐ現在の当事者として参加する、そんな気持ちを持ってほしいと思っています。
そういった意図のもと、ことラー全員がレスキュー活動に参加させていただくことになりました。
ことラーがレスキューする収蔵品は古文書などの紙資料になります。 担当する工程は水で資料の汚れやしわを除去する「洗浄」作業です。
はじめに担当学芸員の谷さんから作業工程についてレクチャーを受けます。チャック袋に収められた資料が取り出され、間近で資料と対面します。
時代と被災による劣化やにおいなどを感じ、ことラーも緊張な面持ちです。
淡々と行われる谷さんの作業を見落とさないように集中して聞いています。
レクチャーが終わり、いよいよことらーも収蔵品の洗浄作業を体験します。
最初のうちは作業の工程を間違わないよう確認しながら、また、収蔵品を傷つけないようにとゆっくり一手一手、慎重に作業を進めます。
なかなか余裕がなく洗浄する資料に対して、どんなものなのかを確認する間もなく作業に当たっていましたが、少し慣れてくるとそれぞれ作業に当たっている収蔵品にどんな事が書いてあるか、どんな状態なのかを見ていくことも出来てきたようです。
担当した収蔵品は覚書や手紙のようなものが多く、当時の人の生活が垣間見えたとことラーは語っていました。あることラーは書かれていた人の名前が同じ苗字だったため親近感を感じていました。
各自作業を終え、ことラー同士でその日行ったことを振り返ります。
最初に出てくる言葉は「一瞬だった!」というものでした。
確かに作業時間としてはかなり限られた時間ではあったものの、それくらいことラーは集中して作業を行っていたようです。
普段の生活で集中して何かをやるということは意外となく、いい経験になったとのことです。
未来の話も出ました。
今日作業に当たった収蔵品が展示された時、なんか汚れてるな、洗浄甘いんじゃないかな、とか思われたらどうしようといった不安を口にすることラー。
そのくらい真剣に取り組んでくれたのだなと話を聞いてほっこりした気持ちになりました。川崎の「これから」に繋がっていく気配を感じました。
レスキュー活動に参加したことラーがこの貴重な体験からそれぞれに受け取り、考える時間となったようです。
今後も大体月に1回、数名ずつのことラーが代わる代わる参加していく予定です。
今回参加した、ことラーは川崎の宝であるミュージアムの収蔵品とかかわりを持つことでさらにこと!こと?かわさきの活動への熱意が高まったようです。
(こと!こと?かわさき プロジェクトマネージャー 財田翔悟)