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備忘録的なもの「多数決の秘められた力」

全卓樹(理論物理学者)著 『銀河の片隅で科学夜話』

第13夜「多数決の秘められた力」についての雑感

どえらい話である。 
怖い話でもある。
フランスの理論物理学者、セルジュ・ガラム博士の「世論力学」によると、世論ってのは、その内の17%がめちゃめちゃ意志の強い確固たる意見を持っていた場合、最終的にはそのめちゃめちゃ意志の強い確固たる17%の意見に染まってしまうとゆ〜のだ。
なるほど、基本、世論ってのは【浮動票タイプ】が多数派だ。何となく賛成、何となく反対、色々な人の意見なんかを2つ3つ聞いて何となく己の意見を決める。ま〜、誰しもがそ〜ゆ〜ところはあるだろう。
一方、例えば何かの意見に対してめちゃめちゃ意志の強い確固たる意見を持った【固定票タイプ】とゆ〜のはわりと少数派である場合が多いと。この固定票タイプは他の人間の意見の影響を全く受けずに己の強い意見を一切曲げずに主張し続ける。
で、その【固定票タイプ】が17%存在してしまった場合、最終的には【浮動票タイプ】を飲み込んでしまうとゆ〜のだ。なので、逆に言うと世論形成においては、サクラでも使って固定票タイプを17%にして多数決に挑めば最終的には「何となく賛成」「何となく反対」みたいな層(=浮動票タイプ)を飲み込んでしまい、その固定票タイプ17%の意見がやがては勝ってしまうとゆ〜のである。
(因みに、それについてのなかなかに難解な解説は↓以下のリンクへ)

世論力学 ガラム理論 入門(南国科学通信第9回「多数決の秘められた力」への数学的補遺)


どえらい。でも思い当たる節もある。例えばここ近年のコロナ禍とかゆ〜インフォデミックバカ騒ぎなんて正にそれではないかと思ってしまうわ。
「新型コロナ怖い!新型コロナ対策は絶対に優先順位の第1位でなきゃダメ!」とか言っている人間がこの世の中の17%以下にならない限り、このバカ騒ぎは終わらないのではなかろ〜か。マスコミ等に煽られてそ〜なってる人間はホント〜に多いし。或いは、めちゃめちゃ強い意志で「いや、コロナなんぞ特別扱いしてないでとっととインフルエンザ並みの扱いにしろよ!経済のが大事だっての!」みたいな俺のよ〜な人間が世の中の17%以上にならん限りはこのバカ騒ぎは終わらんのだろう。やはりサピエンス社会の限界を感じるわ。

ま〜だからといって浮動票タイプが悪いわけではないのだ。全ての事案に対して「固定票タイプ」みたいな人間なんて、ま〜まずいないと思うし。余程強い意志で何らかの宗教なりイデオロギーなりを信じ込んで、で、常にそれらを思考の軸にでもしていない限りはなかなかそ〜はいかない。
俺なんかも間違いなく色々な面で浮動票タイプだ。例えば、何らかの政策なり、エネルギー問題なり、きのこたけのこ戦争なり、ま、何でもい〜が何かについて賛否を決める際は、余程の興味があるか利害があるかでない限りは、そのテーマについて熱心に調べ倒す程に学んでから意見を決めているわけではないのだ。

いやいやそれにしても、民主主義をぶっ壊すのに全体の17%を抑えればい〜だけだったとは「世論力学」、どえらい話だ。そ〜考えると高齢化社会での普通選挙ってのはやはり色々と問題があるよな〜と思うわ。
「熱狂した大衆だけが、操縦可能である」とか言ったのはアドルフ・ヒトラーなんだよな…

ええっ! ホント〜ですか。 非常〜に嬉しいです。