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勉強になった記事(よそ様が書かれたもの)

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よそ様が書かれた勉強になった記事
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#touya_Yのお話物理

反重力ってないの?:一般相対論

SFでたまに見る反重力ってのはないのか,そんな素朴な疑問への無慈悲な解答 反重力反重力というのをしっかり決めておかないと議論にならない.とて数学的にしっかりとなるとお話物理のポリシーに反するので,ここではふわっとしたイメージになるが,反重力というのが何か決めておこう. 反重力:重力と反対方向の力 こんなところにしておこう. 一般相対論おさらいこれは今までのお話物理を読んでほしい. ものすご〜〜〜〜〜くざっくりと一般相対論についてまとめると ・"重力"という力は全て

温度計と世界の寿命:量子力学/古典力学の破綻

今日は量子力学以前の物理,(量子力学に対して)古典力学の敗北をみよう.具体例を二つ紹介しよう. 鉄の温度(Planck 分布)産業革命を知っているだろうか.蒸気機関の発明により製鉄業が興った.鉄は今も生活にも密接に関わっているし,鉄なしの生活は考えられないだろう. 製鉄業では融けた鉄を扱う.その温度は1500度もある.鉄の炭素含有量の統制も700~900度ほどの幅がある.そのため,今の鉄の温度を知ることは重要だ.しかし鉄に温度計をぶっさすわけには行かない.1500度以上の

地平線を超える:一般相対論/ブラックホール

前回はブラックホールを作った.ブラックホールとは,Einstein方程式の解であり,事象の地平線を持った時空の構造であった. ブラックホールの一つ,Schwarzschild(シュワルツシュルト)計量は このような線素で表されるのだった.Schwarzschild計量の事象の地平線はr=r_s で決まる部分にあるのだった.r_s は中にある質量で決まる空間的な半径で,これより内側の情報を外部に持ち出すことができないものだった. 地平線を実感する情報を持ち出すと言うのはど

地平線:一般相対論/ブラックホール

今回は"ブラックホール"の話.ブラックホールとは何を持ってそう言うのか,例えばどんなものかと言う話をしよう. ブラックホールとはブラックホールとは光すら出られないの重力的な物体である.もっと物理の言葉で言えば(自分の理解では)事象の地平線をもつ時空の構造がブラックホールである. よくイメージするのは宇宙にある,とてつもなく重い天体だろうが,実はブラックホールには重さの制限はない.ものすごく軽い数グラムのブラックホールも存在は否定されていない(が,観測はされていない).重要

肩の荷(数字)を下ろす

昨日は数字の肩に乗った数字,指数についての話をした.今日はその肩の荷の話. 天文学が発達した頃,当時の科学者はとんでもなく面倒な計算に追われていた.天文学の計算では文字通りの天文学的な数字の掛け算や割り算,累乗を計算しなければならなかった. 例えばこんなのが(本当にあったとは思わないが)出てきたとして,電卓なしでこれがどれだけの数字なのかパッとイメージできる人はいるだろうか.いれば今日はこれでお別れだ.自身の暗算能力を誇って何かに生かして欲しい. 今日は暗算のやり方の話

肩に乗る数字

何気なく使っている"数字の何乗"というもの,あれをもっと拡張できないかという話.物理の世界では指数の話がいっぱい出てくるのでここで話しておこう. まずははじめとして二乗について,二乗とは同じものを二回かけたものを短縮して表すときに使う. じゃあ"n"個同じものをかけたものを"n"乗と呼ぼう. ここで"n"は2,3,4,...の正の整数だ.でも1と0は入っていない.では1と0乗は決められないのだろうか."n"乗は"n"回同じものをかけたものだから,1乗は一回かけたものだろ