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「ぼくらの血盟」1話~最終話リアルタイム個人的感想まとめ

みなさんこんにちは。20年くらい週刊少年ジャンプを読んでいる寿司(ことづか)いくらと申します。
毎週火曜に感想配信もやっております。よかったら見にきてくださいね。
https://www.youtube.com/channel/UC7E0ZB2Feiq1fWCucicTR0Q 
※配信の台本をジャンプ感想文としてそのままnoteで毎週更新しております。記事一覧から配信アーカイブと合わせてぜひご覧ください。

今週の週刊少年ジャンプ2021年度8号にて『ぼくらの血盟』が終了しました。個人的に20年間ジャンプを読んできた中でもかなり異色の作品だったように思います。
というのも、ここまで露骨に編集さんが仕事してない作品初めて見た…という感覚ですね。 
かなり早い段階からその筋では話題作となっていた本作。わたしが本誌で読んだ当時の感想に、最終回を迎えた今振り返ると…というコメントを添えつつ作品全体の感想を残していこうと思います。 
それでは早速どうぞ。

1話 41号
読切『誓約の紅』からほぼ同じ設定を引き継いでの新連載です。変わったのは今のところ「吸血獣」とかの、吸血鬼以外にも人ならざる存在がいるって設定が追加されたくらいでしょうか。
少女漫画系出身っぽい雰囲気の絵で、画力は非常に高く綺麗で良いと思いました。
ただお話が個人的にあんまり好みじゃない感じですね…女性向け感が強すぎるというか…
設定の説明が多くてキャラについてあんまり分からなかった第一話という印象でした。
「敬語系の兄」とか「生意気な弟」とかは「キャラの内面」ってよりは「属性」って気がするんですよね…
読切のときは兄弟の境遇にもっと悲壮感があったり兄弟の正体を明かすシーンが他の吸血鬼たちの中でだったりともっと盛り上がりがあって良いなと思えたので、連載するにあたってブレーキをかけてしまったのかなあと思ってしまいました。

振り返り:運命の第一話。もうすでにかなり訝しんでいる……
普段なら配信サムネも新連載の見出しがつくんですけどこっちも別の話してますね…… 早くも何かを感じ取っている……

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2話 42号
あれ?何話か読み飛ばした??
2話でやる内容!?これ!??チェンソーマンに何十話か食べられてるでしょこれ。
1話で主人公兄弟の掘り下げ足りてなかったから2話に期待とか言ってたら、まさかの箸休め日常回だったんですが……?
弟くんがモブの子供をお世話して兄の大変さを知る回というまあ兄弟ものには割とよくありそうな話だったんですが、これ普通長編終わった後とかそれなりに連載安定してきた頃に息抜きで入れる回でしょ…
まだ兄弟についてよく知らないしお兄ちゃんのお兄ちゃんっぷりも分かんないから兄って大変なんだなあみたいな話されても入ってきませんぜ……
Twitterのサム8タイパラで盛り上がってた層が大盛り上がりしてたのが印象的でした。

振り返り:最後まで尾を引き続けた衝撃の第二話。

めちゃめちゃ困惑してますね。むべなるかな。

3話 43号
3話です。前回がヤバすぎたので警戒してたんですけどふつうに序盤っぽいキャラ増やす話をやってきました。じゃあなおさら2話はなんだったんだ……!?
校内随一のイケメンに憧れるモブ女子視点…っていうのがまたしても少女漫画すぎるんだよなあ……
ジャンプにおける女性人気っていうのはあくまで「少年漫画が女性の心を掴んだ」という話であって……
……これ以上は作品外の話で長くなりそうなのでやめておきます……。

振り返り:ここまでは連載会議通ってたはずの3話。
もうなんかメチャクチャテンション下がってるじゃん。我ながらちょっと面白。

4話 44号
2話で出てきたネコチャンが申し訳程度に出てきましたね。ずーっとコウくんに乗っかってますが話には絡んでこないな…
駄菓子屋の地下でアイテムの素材集め!世界観を構築してきました。こういう「一見普通のお店だけど特定の合言葉で奥に通されると全然違う店」みたいなの、よくあるけどわくわくするよね。今週のあやかしトライアングルと丸かぶりしちゃったのはお互い運が悪かったね…
でもお店に関して言えばダークファンタジー系なのといい地下がダンジョンというスケール感といいこっちの方が好きかも。
アリスさんと京華さん、突如女性キャラが2人も出てきたぞ…?個人的には作者別に女性キャラ描くモチベそんななさそうに思えるんだけど…
こうなると2話を唯一正当化できる「作者の性癖の赴くままに描いている」もなんか違いそうな感じになってきていよいよわかんないですね。
一応2話さえなければまあ普通にダークファンタジーものなので2話が本当にノイズなんだよなあ……あれのせいでずっと混乱しながら血盟読んでる…

振り返り:女性キャラとあといまだに2話に困惑しきりですね。
「女性キャラ描くモチベ低そう」は多分あってる気がする。

5話 45号
絵はうまいのになんか全然話に没入できない感じがあるな……
内容としては泉生くんの描写が中心で、お兄ちゃん(シンくん)を殺そうとするけど…ってところと、今回の黒幕が弟くん(コウくん)と接触して…ってところでちゃんと進んでるはずなんですけど、満足感が低いのはなぜだろう…
「吸血鬼だからってだけじゃ仲間って言えないだろ!」だけで「うるさい子供ね…」ってなるの沸点低すぎるでしょ…もうちょい猫かぶれなかったのか……?
メタ的なところが気になってしまう作品は編集さんがちゃんとしてあげてください!ってなっちゃうなあ…

振り返り:5話にして早くも編集さんに目がいってます。最終話を読んだ今考えると、打ち切られたことに関して編集さんが仕事しなさすぎた責任はかなり重いように思うのでこのへんの結構早い段階ですでに見捨てられてたんだろうか……

6話 46号
急に話が飛んだ印象を受けました。
突然アジトみたいなところが舞台になってます。それだけならまだいいんですけど泉生くんの妹ちゃんがあまりにもなんの説明もなくいるもんだからどういうことか分かんなくて一瞬混乱しちゃいました。なので冒頭の会話も飲み込むのに時間がかかってしまった。
ほかは全体的に無味な感じですかね…。呪術廻戦の項でも触れたんですけど、バトル漫画の敵に最低このうち一つは求められる①強い②恐ろしい③ムカつくがこの敵はどれもなかった気がします。強いて言うなら③だけど、出たばかりのキャラの身内が人質にされてるってちょっと縁が遠くていまいちノリきれないよ…
あと結局敵の目的はなんだったんだ…?読み返しても分からなかった……

振り返り:バトル漫画の敵に求められる条件についてのわたしなりの考え方を語ってます。あくまで我流なので「あてはまってない!」ってわざわざ言うのも今思えばちょっと違うのかなあ。ちなみに呪術廻戦の項で触れてた内容は↓の画像の通り。

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7話 47号
さらなる敵が出てきましたね。
この漫画、モブの首とか飛ぶんだ…と思ってちょっとびっくりしました。
そのレベルのグロ描写すんだ……
殺したモブの血飲むとこウエッってなりますね… 次の敵だから読者がキモさを感じても問題ないって考えもあるけど個人的にはけっこう生々しくてしんどかったですね……キモいけど敵だから良いの範疇を超えちゃってる気がしてしまった。
襲いくる敵を倒す受け身体制で主人公たちが主体的に動いて何かするわけじゃないのそろそろヤバいよな〜〜。無味な感じがするのはたぶん主人公たちの目標がないせいで敵を倒しても何を得られるわけでもないからだと思うんだよ……そんな中で新たな敵だけお出しされてもという感じ…

振り返り:縦軸の話ですね。結局最後まで受け身の姿勢は変わらずでした。
「何かを探す」「誰かを倒す」「何かになる」って主人公の目標の設定は大事だなあって改めて思います。今残ってる連載陣だとサカモトはこの辺まだ怪しい気がするな。
あと意外と0.2%回なのにその話してませんね。

8話 48号
やっぱり微妙なツッコミどころが気になってしまいますね…。
キリちゃんの家から商店街っぽいところにシーンが切り替わるところで4日経過してるのとか1周目読んだとき「!?」ってなりました。よく見たら会話でも「先週配達に行った」って言ってはいるんですけど、この場面の転換の仕方だとキリちゃん家から帰る道すがらにキリちゃん母が追いかけてきたように見えちゃうよね…?
どっかに「4日後」とかテロップ入れるだけでもだいぶ違うと思うんだけど……
あとキリちゃん母は4日娘が行方不明なのにこれまで何をやってたの?とかも気になるし
手紙のくだりも多分ちょっとした謎解きなんでしょうけど、出題から解決までのタメがなさすぎて回りくどいだけの手紙みたいになっちゃってるのがもったいないです。
同じ出来事でも4日経過のタイミング入れ替えて、
キリちゃん家を後にする→直後にキリちゃん母が追いかけてきて「キリがいなくなっちゃったの」→4日間手分けして探したけど見つからない→手紙の謎に気づいてキリちゃん発見 って流れにするだけですべての違和感なくなると思うんだけどどうなんでしょう
展開としてはけっこう衝撃的で敵の悪さが強く印象づくはずの話なだけに余計なところが気になってしまうのは損だよなあと思いました。
編集さんもしかしてあんまりやる気ないの…?

振り返り:構成の分かりにくさについてですね。普通に読んでて引っかかるところってまず編集さんが指摘してあげるもんなんじゃないの…!?って気づき。この辺から編集さんを本格的に訝しみはじめた気がする。

9話 49号
吸血鬼の昔話とそれに対するコウくんのまっすぐなスタンス!という回。
昔話の吸血鬼アルフレートはわざわざ名前出すってことは今後出てきそうですね。ラスボス候補暫定一位だ。
てかこの人間の友達のマレクくん、アルの正体が吸血鬼って聞いた瞬間になんとかして弱点聞き出して家族ごと一掃してやろうって方に一瞬でシフトしたわけでしょ?こえーわ!!人間の方が怖い!!
徹底して吸血鬼目線で描かれてる作品なのでこう思っちゃうのも作者の手のひらの上…なのか?
なんか今週線薄かったですね。385ページとかベタもないのでめっちゃ白く見えちゃった。なんだったんだろ。

振り返り:アルフレート…このまま全然出てこなかったですね。連載が続いてればラスボスだったんかなあ……
お話が徹底して吸血鬼目線ってのも最後までそうでしたね。

10話 50号
掲載順ラスト。まあそりゃそうよねという感じ。
敵のワイルド系の方の人が来る回。
前回のヒキ的に今回は敵のところに殴り込みかな?って思ってたので初手寝ててあるぇ〜…?ってなりました。
まあこれに関してはわたしが勝手に思ってただけなんですけども。
今回はなんといってもトラックのくだりですよね。
人を轢いといて「チッ おい!何猫なんて追いかけ…」は運ちゃんの倫理観終わりすぎてない???
しかも轢いて死んでなかったら轢きなおすってヤバすぎでしょこれ??世紀末か??
今までの回の「細かいとこ気になる」が百歩譲って言いがかりだったとしても今回はさすがに看過できないでしょ…
「ワイルド系の兄ちゃんが可愛いもの好きなギャップ可愛い」と「敵の吸血鬼から人間を守るため戦う展開」を入れたかったんだろうけど入れ方が雑すぎるでしょ…
漫画がどうとかってよりこう…文脈の自然な繋がりがなさすぎるというかなんというか、国語の勉強をしてくれという気分になりますね。
漫画の面白さで勝負する以前の問題ですよ。
毎週言ってるけどこういうのって最終的には編集さんが教えて修正してあげないといけないと思うんですよ。厳しい言い方になるけどやっぱり編集さんのやる気か能力のどっちかが著しく無いとしか……
あとそういやトラック吹っ飛ばして運転手だけ残るやつ、ロボコの1話でもありましたね。もしや、これがシリアスな笑い……?(絶対違う)

振り返り:伝説の二度轢きおじさん回。
当時のわたし、言ってることめちゃくちゃ厳しいな……。いつもはこんなじゃないんです!!面白い漫画に対してはテンション上げて楽しく褒めまくってるんです信じてください!!
やっぱり編集のやる気については言及してるな。
そういえばこの話読んで最初で最後の血盟ファンアート描いてたな…↓

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ついでにマッシュルの初ファンアートでもある。


11話 51号
扉絵。かわいいものが好きーー
知ってる。伸ばし棒ちょっとシュールじゃない?「好きーー」じゃないのよ。
本編
バトル回…なんですけど。
今回はコマ割りの単調さがヤバかったですね。
前からこの漫画は上中下の3段コマ割り(個人的にサザエさん式って呼んでる)を多用しがちだったんですけど、今回は迫力が命のバトルアクション回だったにも関わらずなんと扉絵除く18ページ中14ページがこのサザエさん式コマ割りでした。
ちなみに残りの4ページは全部同じ上下の2段コマ割りです。
………引き出しの少なさ…っ!!
敵の倒し方も、「硬さが厄介な敵を血の力で強化した武器で防御貫通して倒す」というのはまあ割とオーソドックスで悪くはないと思うんですが、それコウくん何の役にも立ってないよね?とか(コウくんが斬りかかることで隙を作って比較的脆い部位を突くとかならよかったんじゃない?)今までは武器を壊してしまうから控えていた、の説明が後付けすぎるとか(そういう理由づけをしたいんなら事前に血で強化を試みた結果武器が壊れてピンチになったバトルをやっておくべき)、とにかく雑さが目立ちますね。
トラック運ちゃんに「化物ォ…」と言われるシーンも、ここは運ちゃんの表情をしっかりと描いて、「(運ちゃんがクズの恩知らずだったからではなく)助けた相手から、人ならざる者の力に対して純粋な恐怖を抱かれてしまう」という哀しさを強調するべきシーンなんですよ。「人と吸血鬼の共存」、「どう思われようが助ける」が大事なこの作品において、相当大事な描写だったはずなんです。
大ゴマで運ちゃんのアップだけ描いても良いレベル。
なのに小さいコマで雑に退場って扱いだったのでほんとにこれはただ物語を描きたいっていうよりは好みのイケメンを描きたいってだけの作品なんだろうな、と。
ちょっと悲しくなりました… 

振り返り:コマ割り、構図、描くべき内容の取捨選択…。漫画って本当に難しいですね…。こういうところも編集さんのアドバイスで育つ能力なんでしょうけどこの編集さんにそこまで求めるのは酷か……

12話 52号
灰賀くんとの戦いの続き。
血の武器化とか血の濃さと強さの関係とかの設定の話。それ1話とか2話で出すべき設定じゃない…?
廻峯さんはブシッと灰賀くんをフレンドリーファイアしながら登場。
なのに後々コウくんの自分への攻撃を灰賀くんがかばって倒れたとこでは
「…灰賀がやられた…?」
え、どっち…?

廻峯さん的に灰賀くんは大事なのかどうでもいいのか。言動に矛盾が出てますよ。
一応最初のブシッは、廻峯さん的に灰賀くんがめっちゃ丈夫って分かってるから人間で言うところの肩パン感覚で刺したみたいな解釈で乗り切れなくはない…?(苦しい)
血の武器化ができる敵が出てきたっていうのも、できない吸血鬼も今のところそんなに見てないので特別感を感じづらいですね。
ナルト以外の普通の忍者をいっぱい見てたから我愛羅も尾獣持ってるのが特別感あったわけで…という…。 

振り返り:血で戦う設定の掘り下げ回。 
あの2話をやらずにこの回の設定を早めに出しておけばバトルの広がりあった…のかなあ…?

13話 2021年1号
七王月という設定が出てきましたね。吸血鬼の貴族、七つの大家。
バトル展開になってこういう設定出てくるのはまあありがちですけどいいと思います。
でもせっかくなら血を武器にする能力ばっかりだと違いが出にくいのでもっと家によって違う特殊な血の使い方とかあったら面白そうなんですけどね。
一応武器種は鎌と剣で差別化されてるみたいですが絵面的には微妙に差別化が弱いかな。
てか七つとは大きく出たけど大丈夫か……?
全体としてはフワーっと見た感じだとまあ良くもないけど悪くもない感じ。悪くなくなっただけ良いとも言えるかも。
文字数を極力少なくしようと気を遣ってる意思は見えるのでそこは好感持てます。
ただ削りすぎてよくわかんなくなっちゃってるとこがやっぱりちょくちょくあるのでうーむ…って感じですね。
「人間に対して友好的でそれ故に跡取りを残さなかった」どういうこと…?
とか「僕の貴族が人間に滅ぼされたってことを」日本語おかしくない?"僕の家族"の誤植かな? とかね。
でもいつもよりはよかったと思います! 

振り返り:「七つとは大きく出た」 
二つまでしか出ませんでしたね。悪い予感が当たってしまったな…。

14話 2号
覚醒したコウくんがとにかく廻峯を圧倒してます。
アンデラが本格的に血を使った戦闘をやり始めちゃったのでちょっと気の毒ですね…
廻峯の悲しい過去みたいなのも回想で明かされるんですが、その過去エピの挟まり方から相方との庇いあいから、灰賀と廻峯に感情移入させたそうな感じに見えるんですが、先週まで相容れないムカつく敵みたいに描写してたのはなんだったん…?となりますね。
こんな過去があったんだったら吸血鬼の子供を手にかけて人間襲わせたりしたのもしょうがないよね〜!とはならないので…
結局この戦いを経て読者にどういう気持ちになってもらいたいんだろう…
あと個人的に今週気になったのは、セリフの改行おかしくない??ということ。
ふつう漫画のセリフって読みやすいように文節ごとだったりとかで区切った上で改行とかの処理がなされるんですが、4p目の「返してもら(変な改行)うぞ」12p目の「式始まっちゃ(変な改行)いますよ!!」とか同じく12p目の「敬語はやめ(変な改行)ろって言ってる(改行)(※ここも微妙だけどまあわからなくはない)だろー?」とか。
こういう写植は誰の仕事なんだろう。編集さんでしたっけ?だとすると…やっぱり…やる気が……
まあフキダシのサイズがセリフの量と合ってないのが問題という説もあります。改行変じゃないとこでもサイズ合ってないとこいくつもありましたしね。
人間の方の組織が出てきたのは良いと思います。抑止力とか言うわりには自分から攻撃仕掛けてるし、出てきたタイミングもようやくかと言った感じですが… 

振り返り:セリフの改行について。個人的に活字の違和感に敏感なのでこれはよく気にしてます。他の作品でもちょこちょこ見かけますけどこの回は異常な多さだったなあ。

15話 3・4合併号
新キャラがいっぱい出てきましたね!
前半は廻峯との対話。「嫌だったことを繰り返さない為に何かを成そうとすることがそれの何がいけないって言うんだよ!!」がなんかズレてますよね。狩ろうとして返り討ちにあった人が言うセリフってよりは大人に抑圧されてる子供が言うセリフって感じ。
それに対しシンくん。同族を手にかけたのを咎める話をするのは良かったと思います。
でも「あなた達を憎いと思うことはある でも誰も傷つかないで済む道があるのなら 俺は迷わずその道を選びます」って
・"あなた達"は誰を指してる?
・傷つかないで済む道って具体的に何?
この辺がフワフワしてて全然分からないのでかっこよさげなことを雰囲気で言ってるだけにしか見えないんだよな…「誰も傷つかないで済む道があるのなら 俺はその道を探し続けます」とかならまだ納得いったような?見つかってないわけですからね。
後半は前回も話に出た"抑止力"が早速絡んできました。秘密機関なのにいきなり秘密機関であることも組織名も明かしちゃううっかりさんたちです。
ただやっぱ顔のいいキャラを描くのは上手なのでちょっと新キャラには期待しちゃいますね。
最後にはうさんくさそうな新キャラもさらに出てきましたし。今までの血盟の中では一番次回が気になる回かもですね。
灰賀と廻峯、完全に噛ませだったな…… 

振り返り:新キャラがもりもり出てきた回でした。全18話だったことを考えると普通なら打ち切りの通達はもう出てる頃のはずなので、本来連載が続いてたら出そうと思ってたキャラを一気出ししたパターンかな?とも思いますが、最終話での終わり方の唐突さを見るとどうなんでしょうね……

16話 5・6合併号
今週はけっこう良かった気がします!
戦いのその後の回でしたね。
藍月さんが強くて便利なキャラですね。良いイケオジです。
廻峯さんが奈落の底に落とされましたが、灰賀くんと合わせて仲間になるための禊タイム突入だったりするんでしょうか。
ちゃんと強い大人がキリちゃんのくだりをしっかり咎めてくれたのはかなり良かったですね。
強いて言うなら「……君 子供の吸血鬼を獣化させようとしたんだってね」のページ、上のコマと下のコマ逆の方が”ぞくっ”が何に対してなのかすんなりわかって良かったんじゃないかなと思います。
この後兄弟&灰賀くんで藍月さんとバトルして廻峯さんを解放してもらうみたいな感じになったりすんのかな。
今週は変なノイズが少ない回だったと思います(ハードル低っ)。
 
振り返り:この後の17、18話では結局バトルは無かったですね。尺の都合…かなあ…。正直兄弟&灰賀くんの共闘は見てみたかったな。 
藍月さんのキャラ結構好きでした。苗字に月入ってるキャラ多いのに名前にも入れちゃうのかよ!とは思ったけど。

17話 7号
幽閉される廻峯。シンは助けたい派だけどコウくんは「やだ」派。
これでシンプルにただのワガママショタだと「???」ですが、次回で実はねらいがあって兄弟ともどもきちんと廻峯を助けてくれると信じて……る……よ………??
信じてるからね………!?? 

振り返り: ここにきてガクッと文章量が減りましたね。
実はすでに心のどこかで終わりを感じ取っていたのか……?
ちなみに上中下の3段でコマ割りする「サザエさん式コマ割り」に11話の時に触れましたが、今回19ページ中15ページがこのサザエさん式コマ割りでした。

18話(最終回) 8号
え!??終わった!!?
まさかこの流れで終わるとは思ってなかったので最終ページで面くらいました。
お話としては廻峯半獣化エピソードに決着つけてラストは兄弟にフォーカスして終了。という感じでした。
廻峯さんが自力で出てくるのは藍月さんの格下げに繋がるからやるべきではなかった気がするなあ。「いや藍月にしか開けられないっつっといてパワーあれば開くのかよ」という。
廻峯さんの発言も「頼むから血を」「謝るから」→キリちゃん登場「早く…嫌だ…っ 獣になんかなりたくない!!」で自分のためだけの表面的な謝罪だったのが分かってかなり印象悪いですね…。自分が半獣化に追い込んだキリちゃんを見て「獣になんかなりたくない」はクズすぎてちょっと引いてしまった…
この後もキリちゃんからの施しを受けて考えか変わって「ごめん……なさい…」と謝罪するわけですが。ここも本来苦しみを知って共感するのは廻峯さん側であるべき気がするんですよねえ。
廻峯さんがキリちゃんの苦しみに想いを馳せて「自分はなんで酷いことをしたんだ」と自分から反省して謝罪するべきだった。
廻峯さんの成長よりキリちゃんが聖人すぎるという印象の方が強いですね。
あと、半獣化したキリちゃんによって犠牲になったアキちゃんについてはついぞ触れられませんでしたね。「一番に謝らなきゃいけない相手」はアキちゃん及びそのご家族だと思うんですけど……??
こういうところが「徹底して吸血鬼目線のお話」と言われる所以ですね。
その後は兄弟の絆エンドを残り3ページほどで描いて終了。という感じでしたが。
これ前回とかにもうちょっと内容詰めて今回だけでも最終回っぽい最終回にできなかったんでしょうか…。
泉生くんとかはじめ人気のサブキャラもいたでしょうにその辺は一切触れずにあくまで話の消化と兄弟についてだけまとめた形。
サブキャラの推しがいたファンがちょっとかわいそうになってきますね…。
これは良い最終回だったとはならないなあ…。

作品全体の振り返り。
顔が良い兄弟を描きたいだけじゃん!みたいなことは散々言ってましたが、描きたいものを描きたいように描くこと自体は全然悪くないので、問題は「それでいて面白いものにできるか」であり、そこが一番難しいんだなあと改めて感じました。
思えば1話2話から違和感は感じていましたが、それが結局是正されることなく大きくなり続け突き抜けていった印象でした。
ストーリーが面白い面白くない以前にそもそも整合性がとれていなかったり倫理感に問題を感じることが多かったり、こうしたノイズのせいで純粋にお話を楽しむことはなかなかできなかった気がします。
ただこうした問題点というのは一人では気付きにくいことも多く、そういうときに気付いて指摘してあげるのが漫画雑誌における担当編集の役割だと思うのですが、この作品に関しては担当編集者が仕事してないんじゃないかと強く思わされることがあまりにもありすぎて、『ぼくらの血盟』が伸びなかったのは編集さんのせいなのでは?という気持ちを抱かずにはいられませんでした。そういう意味では作品も作者も可哀想でした。
「漫画」という先の見えない大海原で道しるべになる編集者という灯台がないまま進むべき方向も分からず暗い海で遭難してしまった漫画、というイメージ。
きちんと導いてあげる編集さんについてもらえていればかかずかず先生ももっと違う道があったんじゃないか、そう思います。
かなり厳しい経験になったと思うのですが、願わくば諦めず今度はもっときちんとした編集者さんのもとで漫画を描き続けてほしいですね。
かかずかず先生、お疲れ様でした。

追伸)これは憶測でしかないですが、血盟担当のN編集、ワンピのメディア展開担当編集でもあるらしいのでそっちに夢中で血盟疎かにしてたんじゃないんですかね??
一つ一つの作品、作家を大事にできないと段々と雑誌単位で己の首を絞めることになるので早々に姿勢を整えなおす必要があると思います。
『ぼくらの血盟』という作品全体を通じて、ただの一作品の打ち切りという問題で済ませられない「危機感」みたいなものを感じてしまいました。


1/26(火)の22時から今週のジャンプの感想配信を行います!血盟の話についてもほぼ上で描いた内容中心にはなりますが大きく扱うつもりですのでぜひお越しください!
配信URL↓
https://youtu.be/s8CMkSDazmw


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