先端巨大症とは
先端巨大症は、成長ホルモン(GH)を過剰に分泌する下垂体腺腫により引き起こされる疾患です。特徴としては、四肢の末端部や顔の一部が肥大化し、特徴的な顔貌(眉弓部の膨隆、鼻・口唇の肥大、下顎の突出、巨大舌など)を呈します。また、発汗過多、高血圧、耐糖能異常(糖尿病を含む)、脂質異常症などの代謝異常も見られます。
診断は主に以下の3項目に基づきます:
ブドウ糖75g経口投与後、血中GH値が正常域(0.4ng/mL未満)まで抑制されない。
血中のインスリン様成長因子-1(IGF-1)の高値。
MRIまたはCTで下垂体腺腫が確認できる。
治療の目的は、まずは手術により下垂体腫瘍を除去し、GH分泌過剰を是正し、腫瘍による周辺組織への障害を軽減することです。その後、分泌障害に陥った下垂体ホルモンに対して適切なホルモン補充療法を行います。
治療方法としては、手術療法が第一選択となります。その他にソマトスタチンアナログ(オクトレオチド、ランレオチド)、GH受容体拮抗薬(ペグビソマント)、ドパミン作動薬(ブロモクリプチンなど)による薬物療法、手術や薬物療法が効果不十分で外科的切除が困難な場合には放射線療法も行われます。
先端巨大症は指定難病であり、申請と認定により医療費助成制度の対象となります。