全部食い尽くせ!

先日、テレビでヒロミが衝撃的な事を言っていました。


「骨、食べたことある?」


骨付きチキンとか、焼き魚の話ではありません。

なにが衝撃的かって、

ヒロミは友達の骨を食べたそうです。


火葬した友達の骨を拾ったあと、粉みたいになって拾いきれなかった友達の骨を「持って帰ろう」という話になり、友人と分けたらしいのですが、

ずっと持ってるのもめんどくせぇな…と思ったヒロミは

「じゃぁ、食っちまおうぜ!」

と思い付いてしまい、焼かれて微量の粉となった友人の骨を食べたそうです。

気持ち悪いな、と思うのと同時に「一生一緒にいられる」とか「あいつが見れなかったもの、俺が見せてやる」とか

なんとなく、そういう弔い方もあるんだなぁと納得してしまいました。


男気の成れの果てなのか、なんなのかわかりませんが、

それを聞いて、あまり嫌な気持ちになりませんでした。


「食べる」という行為は、いつだって少しグロテスクです。

考えてみてください。

食欲が無い時の豚骨ラーメン。

船酔い中の日本酒。

好きじゃない人が目の前でがっつくどんぶり飯。


自分の「食べたい」という欲がない時の食材は、私にとっては暴力みたいなものです。

食べたい時に食料がないのも暴力ですが、逆もしかりです。


食べる事は好きだし、もちろん生きてく上で必要不可欠な行為ですが

気持ちとリンクしてない時の「食べる行為」って、すごくグロテスクです。


その友達が何で亡くなったのかはわかりませんが、

ヒロミの中には「守ってやれなかった」とか「なんでこんなに早く死んでしまったのか」

みたいな、罪悪感があったのではないでしょうか。

友人の骨を食べることで罪滅ぼしをしたような、そんな気持ちがあったのかもしれません。


もののけ姫の中でも、

「オレ、オマエタチ食ウ、ニンゲンノチカラモラウ、」

みたいなセリフありましたよね。


人間を食べても、その知性や知識を自分のものに出来るわけではありませんが、なんとなく言いたい事はわかります。

私は人間を食べたこともないし、幸い今のところ食べたい!なんて微塵たりとも思ったことはありませんが、この考え方はすごく好きです。

生きてて出会うすべてのひとから勉強させてもらってるわけですから。

気にきらない人や手強い人に会ったときは「嫌だなぁー」とか「なんだよこいつ」とか思うより、「こいつのスゴイ所、全部食ってやる!!」と思うようにしています。

それで相手の上手く良い所を吸収出来れば、私の勝ちです。


私は食べます。

明日も明後日も、来週も、一ヶ月後も。

昨日の出来事も、悲しい出来事も。

良い所、悪い所、全部まとめて食べ尽くしてやります。


突然の無職に、涙なんて流しません。




犬飼いたい