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ロマンチック原始人おばさん
自分のことを自分でおばさんと言うのはあまり良くないとわかってる。
でも、自分のことをもう若いとは思えないし、老人だとも思わないため、ちょうどいいラベリングを持っておらず、つい自分のことをおばさんだとか、中年だとか言ってしまう。
先日、私の敬愛する元鈴木さんが、【クソババアは爵位】みたいなことをツイートされていて、かっこいい!たしかにクソババアはランクが高い、伯爵、公爵、飛び越えて最上位が皇帝(エンペラー)だとして、クソババアは間違いなく皇帝(エンペラー)だ、と思った。
クソババアの位まで行けたら、確かにかなりイケてる。無敵な感じがする。無敵の人とかじゃなくて、事実として無敵なんだよな。
クソババアというのは、強く、自分の意見をはっきりと言えて、底抜けに明るくて、元気だ。クソババアにアリナミンもモンスターもレッドブルもいらない。お手製のシソジュースでも飲むんだよ、クソババアは料理もできるし、コミュ力もある。仲間のババア達と群れをなすこともできるし、1人でも家庭を回せる。強い。やはりエンペラーだ。
私はまだその域には到達できていない。
そしてこの先も、エンペラークソババアになれる気がしない。根本的に弱いし、コミュ力にも欠ける。私は群をなすタイプでは絶対にないし、クソババア軍団があったとして、多分そのコミュニティでもかなりの幽霊部員になる自信がある。
じゃあ一体自分はなんなのか。なんと表したらしっくりくるのか。
幽霊部員ババアか?コミュ力ぬけ感ババアか?
なんか雑魚いんだよな…これと言った決め手に欠けるように思う。
これまた私の敬愛する作家さん•アルテイシアさんは、自分のことをJJ(熟女)と呼んでいた。
私はアルさんのエッセイが大好きで、彼女のような明るいJJになりたいと憧れている。でも、まだまだ程遠い。遠い。遠すぎる。
ゲラゲラ笑って膝パーカッションするJJの姿には、私はまだ足元にも及ばない。なんかこう、その明るくて底抜けのパワーみたいなものに欠ける。私は普通にもっと陰気で、しっとりしてる。湿度がある。しめしめしている。
人からどう見えているかはわからないが、自分的にはそんな気がする。基本的に具合が悪いので、余計そう思うのかもしれない。
他人にババアと言われたら即ブロックするというマイルールがあるので、容赦なくブロックするくせに、自分で自分をババアと言ってしまう。
これは本当に良くない、誰も幸せにならない行為だ。
でも、わかってるよ、わかってるけど。
なんか自分のことを自分で「おばさん」と言うたび、少しだけ「女としての責務」を終えられたような気がして、気が楽になるのもまた事実だ。
おばさんになると、
多少すね毛があったって、髪に白髪があったって、「彼に見られたらどうしよう!無理!」みたいな恥ずかしさをちょっと、捨てる権利が発生する。
性的な目で見られなくて済む。
男性を前にして、無知なふりをしなくて済む。
お節介を働いても許される。
ダサいパジャマでゴミ捨てに行ってもいい。
なぜなら「おばさんだから」。
そんな気がして、生きやすくなる。
だからつい、自分のだらしなさを肯定するかのように「おばさん」を自称してしまうのかもしれない。
まぁ、おばさんはおばさんで、元気で楽しく暮らせてたら正直もう他人の評価なんて心底どうでもいいんだけど、
問題なのは自分を何おばさんとしてラベリングするかである。
なんて言ったら今の自分にしっくり来るかな、とぼんやり考えていたけど、
ロマンチック原始人おばさんかな、と、今日ふと思った。
私はロマンチックだ。恥ずかしくて人に言ったことはないが、毎晩、星を見る。月も見る。そして、今日の出来事をこうして文字にする。これを毎日毎日飽きずにやっている。
ほぼポエムみたいなこの日記に、「週間俺日記」というハッシュタグまでこさえて、飽きずに毎日あーでもない、こーでもない、これっておもしろくない?わかるくない?などと、壁打ち作業に勤しむ。
悩みがあれば、ここにつらつらと書き連ねて、ボトルレターみたいに夜の海にポストする。知らない誰かに届いて、たまにコメントが返ってくると嬉しい。それを読んで、ニヤニヤして、満足して眠る。
眠る前に窓を開けて星を見て、綺麗だなーと思ってから眠る。明日は晴れるかなー、晴れるといいなー、と思うけど、天気予報は絶対見ない。
ここで言う「晴れるかなー」は、降水確率の話ではなくて、祈りに近いのだ。Make a wishを1人で楽しんで寝る。そういう、地味なロマンチックが私にはある。
“寝る前に星を見て、明日の天気に祈りを捧げて、ポエムを書いて眠る。”
多分、原始時代の人も同じことをしていた可能性がある。
だから、私はロマンチック原始人おばさん。
そうとしか、言いようがない。
犬飼いたい