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ゼレンスキーの強火ファン

2022年3月23日水曜


ゼレンスキー大統領の演説を聞いた。
18時から生中継だとTwitterで見てアラームをかけていたが、当たり前のように定時後にMTGが入り、結局仕事が終わった21時過ぎにようやく見ることができた。

なぜ、そんなにゼレンスキーの演説が聞きたかったのかと言われたら、
「自分の生きている時代に起きてる戦争」を、自分の目で見てみたかったという気持ちが大きい。

当然、戦争なんかやらない方がいいに決まってるけど、自分の知らない国で起きている「今」を、知りたいと強く思ったからだ。

そんなうわついた気持ちで聞くんじゃねぇと怒られてしまうかもしれないけど、聞かないよりマシじゃないかと思っている。

知らないよりも、知っている方がいい。
全てを理解できなくても、知りたいと、理解したいと思うことは決して間違ってなんかいないはずだ。大学も出てないし社会史はいつも追試だったけど、考え方として、そういう「宗派」なのである。



演説を聞いて、私は何回も泣いた。
目を逸らしてはいけない気がして、半分花粉症の目と鼻を擦りながら、異国の言葉で話す異国の若い大統領の顔を見つめた。

原稿を読んでいるのだとしても、「自分の言葉」でしゃべっていることがよくわかる。落ち着いた声で、真剣な表情で話すゼレンスキーの顔を、私は絶対に忘れないと思う。


同時通訳のお姉さんの声が時々震えて、泣くのを堪えているように聞こえた。
一世一代の大仕事だったに違いない。すごい重圧の中、翻訳しているのだろう。母国の現状を語る大統領の言葉を、異国の言葉に翻訳する、言葉を少しでも間違えたら、大統領の伝えたい意図と離れてしまう可能性だってある、考えただけでゾッとする。なんて責任ある仕事だろう。通訳さんの声が震えるたびに勝手に泣いていたけど、やり抜いた通訳さんは立派だった。演説そのものももちろん、平和ボケした私にもわかりやすく、人の感情を射抜くものがあった。

はっきり言って、私は社会史も社会情勢も全然知識がないので、多くの人がこの演説についてあーだったこーだった言ってる内容があまり理解できてないけど、
そんな無知な私にも真っ直ぐに届くような、聞いていてスッと共感できるような、気持ちに寄り添いたくなるような、心に響くものがあったように思う。



以前、アメリカに向けてゼレンスキーが演説していた時も、全部翻訳版を読んだけれど、
とても力強くて、人の心を動かすのがなんて上手いスピーチなんだと感動した。
〈以下全文〉


キング牧師の言葉を引用して、リーダシップを見せて欲しい、と伝えているこの演説は、アメリカ人じゃない私にもグサッと刺さった。

ハッキリ言って衝撃的だった。
言葉を使うのが上手すぎる。

ウクライナの持ってる大きな武器の一つとして「演説」がある、と言っても過言ではないと感じた。


イギリスにはシェイクスピアを引用して。
〈以下全文〉

ドイツには、ベルリンの壁の話を用いて。

イスラエルには、ホロコーストの話を用いて。



すごい。本当にすごいと思った。
それぞれの国の、それぞれの国民性を熟知して、刺さるスピーチを作ったのだろうけど、こんな風に作れるのは単純にすごい技術だと感じる。



言葉は、立派な武器だ。

乱暴で、否定的な言葉を並べられて「言葉は武器だ」と感じたことは、今まで何百回もあったけれど、
こんなふうに静かで、力強く、人に訴えかけてくる言葉も武器を見たのは、これが初めてのように思う。


自分自身、こうして何年もブログを書き続けているくらいには「言葉」が好きなので、
演説を聞いていて、思うことがたくさんあったし、こんなすごい演説ができるゼレンスキーは、ウクライナは、本当にカッコいいと思った。

日本がウクライナの立場だったら、
こんな風に世界に向けてスピーチができるのだろうか…?
できないんじゃないかな、とも思ってしまう。
こんなふうに世界に真っ直ぐとした言葉の弓矢を発信していく日本人の政治家なんて、とてもじゃないが想像ができないかった。


必死に生きるために戦っている人の言葉が、
私のように、多分明日も死なないでいられる安全地帯に住む人間に勇気をくれるなんて、なんか、変だよね。
本来は逆でなきゃいけないくらいだよね。

そんなことを思った。




後になって、
「ゼレンスキーのスピーチライターを探せ!」と言ってる人をTwitterで見かけた。

そりゃ何人もいるだろうし、知恵を出し合って原稿を作ったりしてるんだろうけど、「そこ?!」という違和感がすごい。

ゼレンスキーが「ウクライナの大統領」として語ったスピーチだ。これは後ろにライターがいたとしても、「ウクライナの大統領のスピーチ」になるんじゃないだろうか。

そんなことを考えていられるほど平和な日本が、恥ずかしくもあり、愛おしくもあり、とても複雑な気持ちになっていたら、
ゼレンスキーの顔が印刷された枕カバーが売れているというツイートも見かけた。

https://youtu.be/mrMwAFGrTXQ


ぜ、絶妙にいい表情してる…。
※売上はウクライナのインフラ復興に役立てるらしい。


オタク心から言わせてもらうと、ぜひアクリルスタンドも販売してほしい。カーキのTシャツ着てるゼレンスキーが好きだし、応援してるから。
戦争が終わったら絶対にゼレンスキーのちん●でピアノ演奏するネタ、やってほしい。絶対絶対生き抜いてほしい。
この人がどうやって戦争を終わらせるのか、絶対に見届けたい。
今、私はゼレンスキーのめちゃくちゃファンになってしまった。
そんなふうにカジュアルに言うなと怒られるかもしれないけど、凄まじい人間力を見せてもらっている気がするから、「支持派」とか言い方はいろいろあるんだろうけど、ニュアンスとして本当「ゼレンスキーのファン」って感じ。


ウクライナに、一刻も早く平和が訪れますように。

このお金で一緒に焼肉行こ〜