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種付け預託サービスは受ける側の感覚を麻痺させてしまうかもしれない

種付け預託サービス(日本黒毛和牛のお母さん牛を預かり代わりに種付けをしてあげるサービス)を始めて1年経ちました。

お隣の牛飼いさんの空胎オンパレードのお母さん牛は全て種付け完了致しました。

いやー、大変でした。

あっ、僕は仕組みを作って台湾から指示を出しているだけで頑張ってくれたのは牧場長佐々木と母です。

この取り組みでいくら使っただろう。。。笑

この種付け預託サービスを行って気付いた事があります。

それは、、、

種付け預託サービスを受ける側の種付けに対する意識や感覚が麻痺してしまう可能性があるという事です。

サービスを受ける側はお母さん牛をただ預けるだけなので、預けた先の苦労は一切わかりません。

なので、約3ヶ月預けて妊娠した状態でお母さん牛が帰ってくるという事を1年間繰り返していると簡単に種付けが出来ている感覚になってしまうようです。

それは予想してませんでした。笑

今現在何が起こっているかというと、その種付けが全然出来ていなくて困っていた牛飼いさんは自分で種付けをまた始めると言い出しました。。。

んー、別にやりたいなら自分の牛なので好きにやったら良いので止めませんが、1年前の自分の実力を忘れてしまったみたいです。

このパターンはなにも種付けに限らず色んな条件で起きます。

例えば生菌剤。生菌剤を毎日与えて腸内環境を整える事で病気が減った牛飼いさんがいましたが、病気が減った途端に生菌剤を与えているコストがもったいなくなり、この生菌剤の給与をやめてしまいました。あとはご想像の通りまた牛の病気は増えました。

1年という月日は人の感覚を麻痺させるようです。

あなたは何もやっていない。
僕達にお母さん牛を預けていただけだ。。。

発情が正常に来る仕組みの理解、お母さん牛達の徹底したデータ管理、お母さん牛達のコンディション管理など。

言いたい事は山ほど有りますが。。。面倒くさいので言いません。笑

先月、僕達が預かって妊娠してお隣さんの牧場へ帰っていったお母さん牛のお産は死産でした。

原因は分娩後の窒息死。分娩後に羊水を包んでいる膜が口と鼻を塞いでいたのでしょう。

飼い主の観察不足によるミスですね。飼い主は分娩予定日も把握していません。

僕達が把握していたので(何で?笑)注意はしていましたがダメでした。

1年間、僕達が介入する事で刺激になり本人の意識も良い方向に変化していくはずだと頑張ってきましたが逆に当たり前になってしまっているように感じています。

僕達も良い勉強になりました。

僕の資金にも限界があるので今後は全面バックアップはやめて依頼されたらやるようなスタンスに変えていこうかなと思っています。

今日も最後まで読んで下さりありがとうございました。

ではまた!

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