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3行小説 第761回

遠くで誰かが呼んでいる。私じゃない誰かを呼んでいる。
その声に応える人はいない。サワサワと風に揺れる葉音が聞こえるだけ。
あれが私を呼ぶ声ならいいのに。躯になってもなお、私は浅ましい。

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