無題5

「詩集 永劫」(2011)

君のなんでもない死は こんなにも僕を悲しませた
君の骸は死んで間もなく
火に焼かれ 灰となり 焼け残った骨は小さな箱に詰められた
君は火の中で泣いていた 君は灰になって泣いていた
そして君は今 小さな箱の中で泣いている

君のなんでもない死が どんなに僕を悲しませたことか
君の骸が死んで間もなく
火に焼かれている時 どうして泣かないでいられようか
灰となってしまったのに どうして平気でいられようか
どうにか焼け残った骨だけが そんなにも小さい箱に詰められた時
その時僕はもう そんな箱でも抱え泣くしかなかった
(「君のなんでもない死」)

全73編


読んでくださる方にとって、いいと思える「詩」が一編でもありますように。