語りえぬこと
「生きている」という以外に、
語りえぬこともある。
様々な事情から外の世界に出ることが叶わない人もいる。
せっかく九合目くらいまで高い山に登っても、
天候次第、つまりどうにもならぬことで途中引き返す必要が出てしまうこともある。
皆はとうにてっぺんに到達しているのに。
悔しさと情けなさと。
しかしそれはそれとして、
今ここの役目を全うしてる。
その役目は特に人に語ることでもないから
黙っている。
そうすると他者からはその意義を問われる。
「なんの役割を果たしているのか」と。
「存在そのものが意味である」というのは、
こういう生活をしていると、
常に頭に鳴り響く。
「問いを突きつけられること」
そこではじめて考え始めること。
ある方から教えていただいたこの言葉は
わたしに突き刺さっている。
生と死を彷徨うような場面に遭遇したとき、
この問いを突きつけられる。
問いの答えなど出るものではない。
役割を果たしながら、日々悩み、
考え続けるしかない。
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