食品 ¥238

今日、帰り道にコンビニに寄った。

たしか家の冷蔵庫にアイスがあったからいまここでは甘いものは控えようか、でもミルクティーが飲みたい。バスは来てない。なら行くか。少しだけ迷った挙句の判断だった。

店内に入ると「いらっしゃいませ」という声が聞こえてきた。お客さんが何人かいて、おやっ少し人が多いなと思った。目当ての飲み物コーナーを眺めていると、果物のスムージーが良いなと思った。いや、ミルクティーにしようか。。。いいや、飲んだことがない商品だからこれにしよう。そのスムージーは200円を超えていて少し高いなと思ったけれど、レジに向かった。途中、どら焼きにも惹かれて3秒くらい迷って結局手に取ってしまった。ありゃりゃ。

レジで二つの商品を店員さんに渡した。「レジ袋はご利用なされますか」「いえ」とかなんとか短い会話を交わしながら、店員さんはどら焼きをリーダーでスキャンした。続いてスムージーをスキャンした。その後、しばらく間があった。ディスプレイに表示された金額は百何円かだった。

店員さんは何かに気づいたようで「少々お待ちください」と言って店内を走っていった。おそらくスムージーが置かれていた商品の棚だろうと思った。226円だったかな、、、あまりにも役にも立たない曖昧な数字。それに、この場合は店員さんが自ら確認をしないと(客が自身の記憶を頼りに金額を伝えることがたとえ善意だったとしても)、ミスがあったときに後で問題になってしまう。そんなことをぼんやりと考えていた。

店員さんは「お待たせしました」と言ってレジにささっと戻った。一瞬、「食品二百〇〇円」という表示が見えた。スムージーの値段を手打ちしたのだろうと思った。「四百〇〇円です」との声を聞いて、財布のなかの小銭を探す間、「バーコードが反応しなかったのですか?」と言おうかなと思った。それからお釣りとレシートを受け取るまで尋ねるチャンスはあったのに、結局のところ自分は言わなかった。何かもっとうまく言えないのかと思っていた。

コンビニを出るとバスはまだ来ていなかった。なぜか言葉が出なかった自分にがっかりして、少し考えたかった。自然に家まで歩くことを選んでいた。

夜道を歩くと、思考は進みやすい。

スムージーは見慣れない商品だったことを考えると、あれは新商品でシステムに登録されていなかった?でも全社で共通のシステムを使っていたらそんなことは起きないだろう(もし店舗毎にシステムが独立していて、新商品の入荷ごとに各店舗の店員さんがそれを登録する作業があったら、手間がやばいことになるんじゃないか)。*もしこの記事を読んでいる人で何が起こったのか予想できる人がいれば聞かせてください。

店員さんはスムージーを持たずに店内の奥に向って戻ってきた。この一連の流れには、その商品がどの棚当たりにあるか分かっていること、瞬時にスムージーのパッケージを記憶できること、そしてラベルに書かれていた値段を正確に記憶できることが背景にある。自分なら走って戻ってくる最中に値段を忘れてしまいそうだと思った。

ぐだぐだと書いたけれど、自分が本当に言いたかったことは、店員さんが走って対応してくれたことへの感謝と労いの言葉だったのだと思う。変に上手いこと言おうとするんじゃなくて、素直な言葉が咄嗟に出てくるようになるといい。

そういえば、レシートは財布に入れていた。最後にスムージーの値段を確認して、それをこのタイトルにすればこの話は終わって良いことにする。

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