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難聴児の選択肢と考え方を知ることの意味

みなさん、こんにちは。
岩尾です。

難聴診断後の選択肢と考え方セミナーを1/26に開催しますが、いろんな方からのお申し込みを頂いています。

「すでに子どもは小学生なのですが申し込めますか?」
「難聴者を支援している施設で働いています」
「私自身が難聴なのですが申し込めますか?」

これは、非常に嬉しいです。

嬉しいという言い方もおかしいかもしれませんが、
おそらく、すでに今時点での選択をしている方からのお申し込みもいただいているわけで、でも、これって本当に重要なことなんです。

「難聴診断後の選択肢と考え方」
なので、選択してしまっている我が家には関係ないかなと思うかもしれませんが、そうではないです!

なぜなら、今選んでいる選択肢は、今後、変更せざるを得なくなるかもしれないし、変更した方がいいのに気づかずに変更しないままでいて、子ども自身が苦しくなったりということももちろん可能性としてあるからです。

あるだろうではなく、実際にそうなっている事例を本当によく聞くのです。

選択する上での考え方を知っていれば、選択の岐路に来た時に気づきます。
この考え方を知らなければ、岐路に来たことにも気づけません。

知っていれば、適切に選択し直して、また新しい道を歩いて行けるんです。

そして、この難聴診断後の選択肢ですが、診断直後は、誰かに聞かなければ知り得ないでしょうが、少し時間が経てば、何となく知ってるという人も多いと思います。

でも、”考え方”は、あまり聞く機会はないと思います。
考え方に沿った選択の仕方などは公の資料では見たことがありませんし、病院の資料でも僕は知りません。
探せばあるかもしれませんが、難聴児の進路についての資料って、探してもわからなかったり、そもそもなかったり(まとめてない?)ということが本当に多いんです。

僕は、今難聴に関わって9年ですが、まだまだ今になって知ることも多く、9年経ってようやくわかってきたこともあります。
それは、振り返ると、難聴の子どもが生まれて3,4年ぐらいでは知り得なかっただろうと思います。

そして、確実に、早い段階で知っておいた方がいいことだと思っています。

もちろん、当時は何も知らないので、「こんなことを知りたい」という考えも出てきません。
いろいろわかってきた今だからこそ、早い段階で知っておいた方がいいと気づくことがきました。

広報の河原は、現在年長の難聴の息子さんがいますが、
「何年後かに、『あのとき、これをやっておけばよかった・・・』ということにはなりたくない」
と言っていまして、いろいろな情報に触れています。

僕は、娘に、最も自分(娘自身)にとって良い選択ができるように、いろいろ情報収集をして環境を整えているところです。

これは、何回か言ってるかもしれませんが、難聴児の進路を考える時に、「うちの娘が世界で初の難聴児なのか?」と思うぐらい情報がないと感じることがよくありました。

当たり前ですがそんなことはなく、大勢の難聴者が古くから生活していってるわけですけど、どのような選択肢があって、どんな考え方をすればいいかということが、どこにも書かれてないんです。

体験談は聞きますけど、体験したことだけなんです。
もちろん、その家庭はなぜこの道を選んだのかの考え方を聞くことはありますけど、多くは、聴力や親の価値観、他の難聴児の体験から決めたといったものです。

いえ、もちろん、それも選択する上で大切な要素なんですけど、体系的な考え方があるんじゃないかと思っていて、それを考えている中で、自分で整理をして作ったのがこの考え方なんです。

今選択している道も、考え方がわかってなければ、その道で何をしたらいいかには気づくことができません。

ひとまず、今は選択してるから聞く必要はないかなと思う人もいるかもしれませんが、考え方は、難聴児を育てる上で大きな力になります。

だからこそ、すでに選択をして、順調に進んでいる難聴児の親御さんにも、この考え方で整理してみて、自分の考えと同じだったとか、ちょっと違ってたとか、このままで良さそうだとか、変えた方がいいのかなとか、これもやった方が良さそうだとかを確認することも役に立つと思いますし、だからこそ、今後どうしなければいけないか、どうした方がいいかということも見えてきます。

人工内耳にした子どもさんの親御さんで、
「人工内耳にしたからこれでOKね」
と、療育的な関りをしていない家族もいると聞きます。

補聴器をつけたからOKでは決してなく、
人工内耳にしたからOKでも決してなく、
ロジャーを使ってるからOKでも決してなく、
すでに選択肢は選んだからこれで終わりではなく、
大切なのは、「選択するための考え方」なんです。

人工内耳については興味深い話もあり、もちろん、ケースは本当に様々ですが、人工内耳をしたけど、思うように音が聞こえていないというケースで、どうもマッピングをしっかりやってないからというケースも確実にあるという話は聞きます。

手術して終わり、選んで終わりではないということです。

そういう意味で、この難聴診断後の選択肢と考え方セミナーは、考え方を聞いたことのない方全てに一度は聞いてもらいたいと思っている内容です。

河原が、「あのとき、こうしていれば・・・となることだけは絶対に避けたい」と言っていましたが、難聴児の進路の選択では、考え方を知らなければ、これが起こり得るんです。

もしかして、今知って、「しまった!」という現実に見舞われるかもしれません。
でも、挽回ができないわけではありません

あの時、あれをしてなかったので、もうこの選択はできない。
ということはあります。

でも、今気づいたとしたら、本人にとって、家族にとって望ましい道にチェンジすることはできます

考え方を知らないと、そのままチェンジせずに進むことになり、そうなると、本人にとっても家族にとっても辛く苦しい道になったりもするんです。

この子どもの時の判断がや関りが、実は、大人になって、就職したときにもつながっているんです。
もちろん、それだけではなく、周りの理解不足も大きくありますけど、小さいときにこの考え方を使って関わってきたかどうかは、未来に確実につながるんです。

「仕事で聞こえなくてコミュニケーションが取れず、どうにも仕事ができない」
「友達とコミュニケーションが取れず、学生時代何もいい思い出がない」
という声を一定数聞きます。

選択の考え方を知って、そして子どもと関わっていけば、こういう辛く苦しいことも、少しは改善できるはずなんです。

みんな、良い持ち味を持ってるし、
みんな、良いやつです。
その良いやつらが、苦しんでるという話をやっぱり聞くんです。

ちょっとの差と思うんです。
知ってるか知ってないか。
もちろん、知って動くか動かないかもありますが、知らないと動けないんです。
変えようがないんです。

だからこそ、まずは聞いてみてほしいと思っています。
聞いてみて、納得できなかったら使わなくてもちろん構いません。
失うものは何もありません。

興味本位でも構いません。
よかったら、まずは、難聴診断後の選択肢と考え方を、知ってみてください。
アーカイブもあります。
よろしくお願いします!

https://bit.ly/40vFERJ


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