高校を追い出された人が語る高校の選び方


はじめに

今中学2年生の方々は、そろそろ高校を決めなくてはならない時期なのではないかと思います。高校選びの基準は様々あるでしょう。偏差値だったり、特色ある授業や行事だったり、或いは制服がいちばん大切だと言う人もいるのかもしれません。しかしながら大切なことをお忘れではないでしょうか。別にどういう基準で選んでもいいのですが、高校に入ったからには卒業しなくてはならないのです。私は卒業できず、他の高校に転入するという結果になりました。別にその事自体が悪いとは思いませんが、やはり最初に入った高校で卒業するに越したことはないです。今回は卒業するという観点から高校選びについて私なりに書いていきたいと思います。

高校はどうやって卒業するのか

これは高校によって違うと思うのですが、意外と情報がないのですね。一応全ての高校で以下の要件をクリア出来ないと留年となります。(留年といいましたが、多くの高校では事実上の退学です)

  • 必要な出席日数を満たせるだけ出席すること

  • 基準を満たす成績を取ること

以上を満たすことによって単位を取得することが出来ます。一応特別活動という学校行事等に参加することで取る単位もあるのですがこれが取れないというのは出席している限りないのではないでしょうか。

全単位を取得しなくては卒業はできませんので、1つ単位を落としても留年となります。どれだけの単位を取ればよいのかというのは全日制高校では高校によって異なります。通信制高校と定時制高校は74単位です。おそらく殆どの全日制高校よりは少ないと考えられます。

卒業するための高校選び

入学できる高校と卒業できる高校は違う

入試をクリアできる能力があれば高校を卒業することは容易いように思えますが(実際多くの場合はそうです)、時々そうではないことがあります。私のようなケースです。

私の場合はタスクをこなす能力と、理数系の学力も不足していたと認識しています。それに加えストレス耐性の不足もあったかもしれません。
しかしながら幸か不幸か暗記能力が高かったため入試だけはクリアできたのです。

私は発達障害とかそういう分野には明るくありませんから詳しいことはわかりませんが、診断がなくとも自分の能力に極端な凹凸があるというのはなんとなくわかると思います。或いはテストの点数に凹凸があればそれがすなわち能力の凹凸ということです。(もちろんテストが全て良いからと言って凹凸がないとは断言できませんが)

自分の能力に極端な凹凸があると思う人は本当にその高校を卒業できるのかということを考えたほうが良いと思います。もちろん卒業できるか分からなくてもチャレンジしてみたいと言うなら止めはしませんが…

卒業できない高校とは何なのか

これは人によって違うとは思いますけれども、ある程度難易度の差というのはあります。例えば進学校(自称進学校も含みます)では難解な授業や大量の課題、異常に早い進度などで卒業しにくいと思われます。こういうことは入ってみないとわからない側面も大きいですが、それでもある程度は入る前に調べるしかないです。

どういう授業をどれくらい受けるのかは高校のパンフレットにあります。時間数が多かったり苦手・難しい科目が多い高校は要注意です。在校生・卒業生の話もある程度は参考になりますが結局ついていけている人の話が多いので注意が必要だと思います。いくら大丈夫と言われても不安に思ったら避けるべきです。

卒業できる高校とは何なのか

反対に卒業できる高校とは何でしょうか。自分のレベルに見合った高校です。万人が卒業できる高校は存在しないので(通信制高校でも卒業できず諦める人はいます)結局自分の力量を見極めるしかないのですが、卒業しやすい高校というのはあります。

自分の学力より学力的にレベルが低い高校であれば、ある程度余裕を持った高校生活を送ることが出来るでしょう。多少分からない授業があっても分かる授業があれば精神的にも楽ですし、分からない科目に振り向ける余力も生まれます。得意科目でギリギリ、苦手科目はさっぱりでは得意科目をまともな水準にするだけで精一杯になってしまいます。

或いは最初から定時制・通信制高校に進学するという手段もあります。提出物は基本的に資料を見れば答えを書くことが出来ますし、それらとスクーリングをの内容をある程度理解しておけばテストも問題ありません。

レベルを下げてもいいのか

本当にレベルが高い高校に入れば自分のレベルも上がるのか

ここまで読まれた方の中には、「いやいや、自分のレベルより少し高いくらいの高校に入ることによって自分のレベルを引き上げるのだ」と思われている方もいらっしゃると思います。それが間違いであるとは思いません。実際そうやって厳しい環境に身を置くことで自分を鍛える人もいます。

しかしながら高校を卒業できないということは精神的にかなりの負荷になりますし、その結果何かしらの精神的・身体的なダメージを受けることもあると思います。レベルの高い高校に入り自分を鍛えることがそのリスクに見合うリターンなのかと問われると、私としてはNOと答えざるを得ないというのが正直な感想です。

そして、レベルの低い高校では自分を鍛えられないというのは、厳しい言い方をするとあまりに他力本願が過ぎるのではないでしょうか。自分が余裕を持って卒業できる高校に入れば、その余裕を自分を鍛えることに使えます。例えば学習であれば、ひいひい言いながら高校の授業についていくだけで精一杯より、余裕を持って高校についていきつつ、自分がわかるところから自学自習で進めていくほうが結局は早道だと私は思います。人によって向き不向きがあるとは思いますが。

負荷は適正であってこそ最大の力を発揮する

私は筋トレに詳しくはありませんが、学習を筋トレにおける負荷と捉えるならば、自分にとってちょうどよい負荷を与えることが最大の成果を生み出すと思います。

もちろん過大な負荷も自分の力を高めます。しかしながらそれでは効率が悪い。どうせなら効率よくやりましょう。

そして、結局のところ学校は一対多ですので、自分にちょうどよい負荷が与えられるということはかなりのレアケースとなります。それならば学校による負荷は最低限にして、効率よく卒業への駒を進めつつ、自学自習で適正な負荷を与えるのが良いでしょう。

余談ですが、私がボランティア活動で出会った人に早稲田大学の学生がいます。その方は全日制高校に一年通っていましたが、効率的でないと考え通信制高校へ転入していました。

おわりに

私の失敗から、私なりに高校の選び方について書いてみました。もちろん、私と同じ選択をしても、私と同じようにならない人はいると思います。ですので、もしかしたら参考にならない、読んで損をしたと思われる方も当然いらっしゃると思います。そういった方にはお詫びする他ないのですが、それでも私の失敗を何処かに書いておきたいと思いましたので、こうして筆を執った次第です。

私の言うことが全てを網羅しているとも思いません。最後は御自分で考えて、より良い選択をしていただければ幸いです。読者諸氏の高校生活に幸多きことをお祈りするばかりです。

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