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31.27 ベクトルの初歩(空間内のベクトル方程式)

ベクトルを用いて図形を表す話の空間版です。前半は、空間内の直線、平面、球面をベクトルで表してみます。後半は、ベクトル方程式から直線、平面、球面の方程式を導きます。
最後には、気づいた人のための補遺があります。


空間におけるベクトル方程式

ベクトルを用いて空間内の Ⅰ 直線 Ⅱ 平面 Ⅲ 球面  を表現してみます。

I)直線

直線に関しては、前回の平面での話が使えます。
2点A,Bを通る直線ABは、直線AB上の動点をPとすると、3点A,B,Pが同一直線上にあるので、パラメーター(媒介変数)$${t}$$を用いて

$${\overrightarrow{\mathrm{AP}}=t\overrightarrow{\mathrm{AB}} \:\:(t\in \mathbb{R})}$$ ・・・①

と書けます。この$${t}$$は実数全体を動きます。


【1】 ①を原点Oを始点とするベクトルで書き直すと

$${\overrightarrow{\mathrm{OP}}=(1-t)\overrightarrow{\mathrm{OA}}+t\overrightarrow{\mathrm{OB}} \:\:(t\in \mathbb{R}).}$$ ・・・②

さらに、$${1-t}$$を$${s}$$と置けば

$${\overrightarrow{\mathrm{OP}}=s\overrightarrow{\mathrm{OA}}+t\overrightarrow{\mathrm{OB}} \:\:(s+t=1; \: s, \: t\in \mathbb{R})}$$ ・・・③

と書き直せます。この ②, ③ は直線のベクトル方程式と呼ばれます。


【2】 ①の$${\overrightarrow{\mathrm{AB}}}$$は方向ベクトルなので$${\vec{d}}$$ で書き直し、原点Oを始点とするベクトルで表すと

$${\overrightarrow{\mathrm{OP}}=\overrightarrow{\mathrm{OA}}+t\vec{d} \:\:(t\in \mathbb{R}).}$$ ・・・④

この④も直線のベクトル方程式と呼びます。ここまでは前回と同じです。


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